「きのう何食べた?」116話 感想 モーニング38号

「きのう何食べた?」116話 感想 モーニング38号


前期期末テスト目前のため、毎日娘と一緒に勉強してます。中学の勉強、全くわからない模様(´;ω;`) どこから手をつければいいのやら……。
そして今回の116話、ちょっと寂しいお話でした。 シロさんとご両親のお話。
以下ネタバレありの感想です。
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「きのう何食べた?」116話

「ちょっとお前に直接会って話したい事が……」
という、シロさんのお父さんからの電話で幕開け。
「じゃあ次の土曜日でも」
と答えるシロさんの後ろ姿。なんだか不穏な感じ?
今日もまた美容室のレジ締め作業を持ち帰っているケンちゃんが、シロさん実家? とたずねますが、あーうんとなんとなく渋い表情。
毎回16ページ前後、多くても20ページですから、この電話がかかってきて……という導入は読者にはお馴染みのもの。また何か実家で(オモロい)一悶着あるのかな? と、ただならぬ気配にわくわくしてたんですが。
さて当の土曜日、夕飯の下ごしらえを朝の内にすませ、シロさんは実家に出かけて行きます。
そこではお父さんとお母さんが、テーブルの向こうにやけにきちんと並んで座っていて……さらに目配せし合ったと思うと、
「史朗よ──本当にすまん!」
と、二人揃って頭を下げるじゃないですか。
シロさんびっくり。何?! 怖いんだけど!! と逃げ腰になったところに、
「わしとお母さんでこの地所を売って老人ホームに入ろうと思っとるんだ!」
と、苦渋の選択をお父さんが告げます。
シロさんは一瞬だけぽかんとして、
「ああ! そう! なーんだ! いいんじゃない?」
と明るくこたえます。
今度はご両親の方がびっくり。
「お前ショックじゃないのか?!」
って。なんせシロさん、家は古いから価値はないけど、ここの土地なら更地にする費用を差し引いても十分な金額で売れるという趣旨のことを、まるで事前に準備していたかのように、ずらずらっと10行もの長台詞で即答しましたからね……。涙ぐんでたお母さんもそりゃびっくり。
お前が育った家なのにそれでいいのか?──焦るお父さんに、シロさんは微笑みかけます。
「確かに思い出はあるよ」
でもお父さんとお母さんが頑張って30年ローン組んで手に入れた家なんだから、あくまで二人の資産だよ。俺はもともとここをあてにせずに人生設計してるから大丈夫。
穏やかに話すシロさんですが、お母さんは自分のせい(例の宗教とかですね)でこんな事になって……と泣いています。
お父さんはもちろんその件についてはとっくの昔に済んだことなので触れずに、
「お父さん自分が情けなくってなあ……」
と。財産を残すどころか生活費を息子に援助してもらっている。なんとかこの現状を打破できないか、息子の負担を減らせないかと考え抜いての結論がこれだったようです。切ない。本当にほんっとうに可愛い一人息子のことを考えて、元気な内に一番いい選択をしようと決めたんですね。シロさん以上に二人にとって思い出深い家だろうに……。
しょんぼりと俯いたお父さんに、シロさんは何て声をかけるのかな? と思ったら。
渡辺さんちの悟朗くんのことを話し出したんです。
知り合いの娘さんが自分の子どもにね、いい名前だからって俺の名前から一文字とって「悟朗」って付けたんだよ。偶然だけど、お父さんの名前と漢字もまったく同じなんだ。俺、その話を聞いた時びっくりするくらい嬉しくてね……。自分の生きた証しが次世代に伝わる嬉しさってこういう事かって。今まで一度もそんな風に考えたことなかったのにさ。
お父さんは俺に財産っていう贈り物を残せなかったって言うけど、俺はそれを欲しがってなかった。逆に、二人が喉から手が出るほど欲しがっていた孫っていう次世代を俺は残せない。
でも俺は、今はもう──そのことを二人に悪いとは思ってないんだ。俺は自分の選んだ道をちゃんと生きてる。
「だから二人も俺に悪いなんて思う必要ないよ」
図らずして、いつかこのことを伝えよう。多分ずっとそう思っていたことを伝えることが出来たシロさんの顔は晴れやか。
自分は今幸福だから、そっちに望むことも二人が幸せか、ただそれだけなんだよ──
「ただ、どこのホームに入るか決める前に必ず俺に相談はしてほしい!」
老人ホーム、マジ色々あるから! と、またしても用意していたかのようにずらずら口上を述べるシロさんに、お父さんたじたじ。
帰りの電車の中でシロさんが色々考えているのを見るに、実際色々と調べたりしていたみたい? 都内の土地はオリンピック前の今が売り時、でもこっちからは言えないから両親が早めに決断してくれてよかった……とか。
帰宅して、今日は冷蔵庫の残り物を片付けよう! と出来た献立がこちら。
・鮭の幽庵漬け
・中華風豚肉と野菜のきんぴら
・ ほうれん草と梅えのき和え
・厚揚げとさつまいものみそ汁
ケンちゃん曰く、「秋っぽい! 献立!」
──鮭しっとりしてる。肉野菜炒めの新作、ごはんすすむ。きのこが秋っぽい。
──さつまいものみそ汁って、お前と暮らしてから作るようになったけど、甘いのもうまいね。
いつも通りにご飯を食べているけれど、シロさんがちょっとぼんやりしているのにケンちゃんは気付きます。
「ご両親と何かあった?」
心配そうなケンちゃんの問いかけを、シロさんは慌てて打ち消しますが……。
ここから回想。
「あとね、史朗さん、本当はね」
お母さんが真剣な表情で言うことには。
私たちが万が一にも事故で二人いっぺんに死ぬとかで財産が残った時には、ケンジさんにも半分遺産を残すように遺言しようと思って! あなたにその手続きを頼もうかと思ったの!
隣でお父さんも超真剣に頷いているので、どうやら夫婦の共通の意志らしいです、ハイ。
このぶっ飛んだ提案に、当然シロさんは真っ青。
そんなの俺に遺してくれれば、ちゃんと二人のために使うから! だからいいって!
(その時まで俺とケンジが別れてなければの話だが!)と、シロさん焦りまくりですが、ケンちゃんすっかり嫁扱い(笑)。かどうかはともかく、可愛い一人息子が自分の家庭を持っているという認識ではあるみたいですね、双方にとってよかった。
でもこのことをケンちゃんには言えない、また一つ秘密が出来てしまったシロさんでした。

うーん、最初に読んだ時はやっぱりご両親が落ち込んでいることや、家を手放すことになったのが寂しいような気がしましたが、再読してみたらすごくいい話でしたね。シロさんが自分の見解をズバッと言ったのがよかった。こういうことっていつか言おうと思ってて言わず仕舞いになったりすることも多いから、ほんとによかったなあ……って。

次回は46号(10月18日発売)です。あー9月はないんですね。寂しいな。

117話はこちら

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