「ホイッスル!」関連の検索ワード、断然多いのはやはり小島有希ちゃんの結婚についてですね。自分は「サムライファイト!」を初めて読んだ時、正直その辺りの細かいエピソードを忘れ去っていたのでびっくりせずに受け入れられたんですが、文庫を読み返していて、そういえば昔は水野と有希はお似合いだ!と思って読んでいたことを思い出しました(^_^;)
以下ネタバレありの感想です。
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10巻
天城と若菜くんが表紙。緑のはロッサのユニフォームだったんですね。天城は不器用で朴訥な性格が好き。
STAGE.130〜143まで。連載も2001年に3年目に突入です。
選抜の最終選考に残ることが出来た将、色んなことに迷いながらも周防将大との運命的な出会いや天城とのしばしの別れを経て、気持ちを新たに韓国との親善試合に向かいます。
選考前、敗者と勝者が混在するフィールドを眺めながらの榊さんの印象的なモノローグ。選ばれるのは、客観的判断と強い意志があることを大前提に、
「最後まであきらめずに自らを捧げられる者」であると。
9巻で真田くんも言ってました。夢の実現のためなら「みんながやってるフツーのこと全部と引きかえにしてもいい!」まあ家族の協力があればこそ、の側面もあると思いますが(^^)
山岸涼子先生のバレエ漫画「アラベスク」にもありました。人間がすることはスポーツでも芸術でも、極めて行けば同じものなんでしょうか?
「神は公平な方だと……つくづく思うね。なんの代償もなしに栄光を維持しつづけることなど決してお許しにはならないのだ」
さて選抜から戻って来た水野くんが、桜上水のチームメイトのレベルの低さに苛立つのがリアル。都大会も3回戦敗退で、またすぐ選抜編に戻っていくんですが、高井と森長くんの男らしい優しさが、フツーの男の子だって捨てたもんじゃない、いくらでも素敵になれるじゃん?フツーの生き方もいい、と思わせてくれて涙。普通って失礼か。二人とも超いい男ですよ!
都選抜で練習試合を繰り返す中、因縁の洛葉戦でついに将の才能を意識して、ここから水野くんが長〜い自分探しの旅に出ることになります。
そして離婚したドイツ人の母の元で暮らしたいと悩む天城の相談に乗った将は、サッカーでの勝負を提案するのでした。
フットサルの帰りの電車で、将と小岩を上手くなったねと的確に褒める杉原に、自分にもコメントを欲しがる不破が可愛い。
天城の不調をキャプテンらしく気遣う渋沢さんが、結局藤代の愚痴に付き合わされてるエピも大好き!
描き下ろしは2本。
赤丸ジャンプ(今のNEXT的なものです)に掲載された「がんばれ!女の子!」のパート3。
あれからみゆきちゃん、ドリブル・パスと出来るようになりました。とっても上手くなりました(自分比)。もちろんシュートだって!と意気込んだもののそれは空振り。でも負けない!っていうそれだけなんですが、可愛いからよし!
「むかしむかし」
昔あるところに(丸刈りの!)シャイな少年がいました。彼は小学生の頃からズバ抜けて背が高いのにおとなしい性格のためイジメられ、自分に自信が持てないでいました。でもクラス一可愛くて密かに好きだった女の子が背が高いってかっこいいよねと話すのを聞いて、自信が付いた彼はサッカーで大活躍。これで好きになってもらえる!と思ったら。背が低くてちっちゃいんだけど隠れイケメンが現れて、女の子はすぐさま「オトコは顔よねぇ」と……。
9巻の鳴海の「小一の時好きだった女の子をチビに奪られた」エピを補完。その相手とは現チームメイトの明星中のキャプテン・筧くんで二人はくされ縁の仲良し、というお話でした。この一件以来すっかりチャラくなった今の長髪の鳴海が好きなんで、筧くんに感謝です。
11巻
郭くんと従兄弟の李潤慶くんが表紙。日韓戦です。
STAGE.144〜158まで。
天城がドイツに旅立ちます。水野くんは色々悩んでます。シゲは何かこそこそしてます。
そして渋沢さんが練習中に怪我!全治1ヶ月ということでひとまず安心ですが、大事を取って日韓戦は小堤くんが出場することに。
中3の渋沢さんより一つ年下の小堤くん、身長も20cm近く違います。何もかも敵わない、渋沢が同じチームにいる限り俺は永遠にセカンドGKで一番になれないという敗北感、劣等感……真面目に人一倍努力する小堤くんだからこそ、どんなにやっても追い付けないという焦燥感も強いんですね。そしてまた渋沢さんがそんな小堤くんの意識の高さをフェアに認めて褒めたり励ましたりするもんですから、上からかよ!って小堤くんがムカつくという……わかる!小堤の気持ちわかる!
怪我したってのに、「すまん…ドジった。あと頼むな」ってニコッとして肩ポンですよ。人格者すぎててイラっとするよね、そりゃ。どれだけ追い上げたら俺という存在におびやかされるって焦りを感じてくれるんだ?って思うよね。
そして年が明けて選抜メンバーはソウルへ!
この日韓戦は途中から雪が降ってきて、たくさんの印象的な場面を演出してくれます。「もっとあそべよ」はいうまでもなく、今から本気だすよって水野と潤慶がすれ違っていくところ、マサキが将に「いつも通りでいいんだ」と中学生離れした落ち着きでカッコよくアドバイスをする場面、降ってくる雪をきれいだと将が見上げる場面、どこも好きです。
武蔵森の3軍にいた将が、親善試合とはいえ国際試合の舞台に立ち、ヒリヒリするような真剣勝負をするんですから、ほんと遠くへ来たものです。あまりにも夢のような状況に現実感を失いそうな将の意識を引き戻してくれるのが、一月のソウルの肌を刺す寒さ。二度とない瞬間を生きていることを強く実感した将が、あらためて世界の美しさに気付くこの場面、すごく臨場感があって素晴らしいです。
この巻の書き下ろしはイラスト2種類。
「ソウルイレブン ビジュアル ピンナップ」と「ミニアルバム(川崎ロッサ ジュニアユース時代)」です。
⑤に続く。