「とりかえ・ばや」感想② フラワーズ2017年3月号

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「とりかえ・ばや」episode.55 身を尽くし

久しぶりに顔を合わせる主上と一の姫宮、まずは御簾ごしに挨拶を交わします。二人とも嬉しそうでかわいい。しばらく世間話などして、主上が庭の案内を姫宮に頼みます。何か話がありそうな雰囲気……。
美しい庭をそぞろ歩きながら、いきなりズバッと主上が切り出しました。
院は姫宮と右大将を夫婦(めおと)にしたいとお考えです、と。
扇で顔を隠していた姫宮は真っ赤になります。
存じておりますが、右大将は蟄居中ゆえ早々叶うまいと思っております……と恐縮する姫宮に、先日左大臣に告げた通り、近々右大将を都に戻す予定だと上様が伝えると、一気に顔を期待に輝かせます。
そしてさらに!
「お二人はいつから…その、妹背となられた?」
いや〜攻めてますね、上様w 姫宮はびっくりです。
「そ…そこはかとなく」←かわいい! このお返事かわいい〜!
瓜二つの人形のように美しいあの二人……ある時を境に変わったと思いませんか?
「まるでーー二人が入れかわったかのように」
扇で口元を覆っていますが、驚きの表情を隠せない姫宮。主上にじっと見つめられて、青ざめた顔が紅潮します。なんと、なんと返事をすればよいのかーー
少し離れて見守っていた三の姫も不審に思います。(東宮さまが困っておられる? 何か重々しお話か?)
頬を染め、困り果てて俯いていた姫宮は、思い切って答えます。
右大将はここ何年かで人生が一変するほどの大変な経験をしてまいりました。多少人が変わったようになったとして……誰がそれを責められましょう。
上様には是非、そんな中でも決して変わらなかったものーーあなた様への尊敬と献身の方へ目を向けて頂きたい。
二人は私にも同様に身を尽くしてくれました、そう言って春の陽光のような微笑みを浮かべる姫宮に、主上も改めて思います。
尚侍が私を欺いているという確信があるのに、(それでも尚侍を思う気持ちが抑えられぬ)。私のために身を尽くしてくれる心には偽りがないと知っているからだと。
輿でお帰りになる主上を一の姫宮が見送ります。
東宮に大切なことを教わったが、肝心なことは何一つお答えにならなかったーー東宮の聡明さにごまかされてしまった主上です。
真相が自分の予想通りであれば、沙羅たちに相応の処分を下さなければならないかも知れないため、追求の矛先が鈍るのも仕方のないことです……。

悩める主上とはまた別の方向で懊悩するお方が。
梅壺様です。汚らしいつぼを前にして「汚し……」と眉をひそめています。
これは銀覚に贈られた呪詛の道具です。土から掘り返して来させました。呪う相手はもちろん睡蓮の尚侍。
銀覚が罪人となり島流しになった今、呪いをしたためた文を焼き、つぼを粉々にして捨てることで証拠隠滅を図ります。
女房たちを顎で使う梅壺様に、何やら怪しげな文が届きます。
世にも美しい雅な僧侶から渡されたそれは、銀覚からの文でした。
主上への謀反にも等しい左大臣家の秘事ーー
兄と妹が入れ替わっていた、その証拠は肩の矢傷であるとーー
それを目にした梅壺は一気に過去の疑念を蘇らせ、誰も信じなかったが沙羅双樹が女であるという私の見立てこそが正しかった!と全身が粟立つほどの興奮を覚えます。
主上の寵愛を独り占めしているあの憎っくき尚侍に勝つ時がついに来たーー
どす黒い歓喜に震える梅壺はどう出るのか?
で、次回に続く。全然意外な人じゃなかったですかねw すみません。

主上が延々悩み続ける回でしたが、沙羅を好きというその一点がまるでぶれないのがなんというか……(*^_^*)
梅壺もある意味気の毒だなあと思ってましたが、とにかく自分の手を汚さず他力本願な、いじらしさのかけらもない態度を見ると、悪役まっしぐらなのかな?と思います。
柱は新年早々大叔母になったとお喜びのさいとう先生でした!

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