「フラワーズ」2016年6月号 感想 「とりかえ・ばや」

[amazonjs asin=”B01DMJRZJE” locale=”JP” title=”月刊flowers(フラワーズ) 2016年 06 月号 雑誌”] GWもあと二日。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
今月号の「フラワーズ」……吉野朔実先生のこと、ポーの一族の新作のこと、色々思うところはありますが、切り替えてまずはこちらの感想です。
表紙は「とりかえ・ばや」。何だか現代風味の沙羅が可愛いです!華やかで素敵。9巻の続きが読める!って表紙に書いてありますが、5月10日発売だからまだ出てないんですね(^ ^)なんか笑えるw
以下ネタバレありの、ていうかネタバレしかない感想です。

「とりかえ・ばや」episode46.弓弦王

表紙は主上が一人で座っている絵なんですが、「手に入らずとも傍にいるだけでーー」っていうアオリが!わぁまだなんだ、さすが紳士(≧∇≦)って担当さんのアオリだけでもうわくわくが止まりません!ちょろいですw

「帝の尚侍」として、宮中に戻った沙羅。
主上のたっての所望とあって、ゆくゆくは女御に……という見方が大勢を占めていて、清涼殿の女房たちも女主人を迎えたように付き従うなど、概ね歓迎の雰囲気です。
そしてここで帝の一日の営みが説明されるんですが、朝の入浴前にお召し物を少し?はだけた色っぽいお姿に沙羅がどきっとしてしまう場面が!平然としてる上様かっこいい〜!現代のラブコメ同居ものっぽいエピが「とりかえ」で見られるなんて美味しすぎです(≧∇≦)いやいや、朝食後から夕食までずーっとお仕事詰めで頑張っている帝です。焦れったい想い人をどぎどきさせるくらいの生活の潤いがないとね。
傍に仕えて改めてその大変な仕事ぶりを理解した沙羅、新東宮が傀儡であってはならない、鞍馬でもれ聞いた陰謀があることを、主上にお話ししてなんとか食い止めねば。思い付いたら即実行。
「お耳に入れたき事ございます。お人払いできませぬか⁈」
その場に居合わせた蔵人頭や女房たちが誤解して顔を赤らめる中、帝に導かれて二人は夜の御殿へと。早々にお召しに?と女房たちも驚いてますが、こうして噂が広まって行くんですね。楽しいんですけど!
「夜の御殿」は帝のご寝所。昼でも暗いこの場所でも、じっと見つめられている気配は感じるわけで。(まさかこのまま……?)なんて顔を赤らめて口ごもった沙羅の手を!上様が強引に取って、心の準備が出来ないままに連れて行かれた先は、光まばゆい清涼殿の仏間でした。
仏像に手を合わせ、座るがよいと促しながら、悪戯っ子の顔をして、主上は「じっ」と沙羅の顔を見つめます。さっき暗がりで妖しい雰囲気出してた人とはまるで別人です。なんでそんな可愛いの!とのたうち回りたいくらいのかわいさ。
「安堵した顔をしている」なんてズバリと指摘して、沙羅がどぎまぎするのを笑い飛ばしてとやりたい放題。さすがに沙羅もからかわれていると気が付きましたが、この小悪魔ぶりは許すしかないです、可愛すぎて!
さてここからは真面目なお話。
思っていたより早く復帰を決意されたが、何か気がかりな事でも?上様の洞察力に舌を巻きながら、沙羅は先日の出来事をあらいざらい伝えます。
「……いくらでもありそうな話だが、軽く考えることもできぬ」
「調べましょう!」
予想よりも鈍い上様の反応に、間髪入れず応じる沙羅。
実はこのお話し中、上様は気安く体を横たえて、まあつまり寝転がっちゃって、かなり心許した相手の前じゃなきゃしないよね?というラフなご様子だったんですが(しかもちょっと憂鬱な感じがこれまた萌え萌えですよ、もちろん!)、沙羅の無茶振りには笑ってしまって、ちょっと元気が出たのが微笑ましい。
「つくづく珍しい姫だ。陰謀話に生き生きするとはーー」
なるほど、主上は沙羅のそういう他の姫とは違うところが新鮮で嬉しくて可愛く思うわけね……という気持ちがうかがえる優しい横顔、素敵です。
「上様が心配です!」
と一生懸命に訴える沙羅ですが、他言無用・追求禁止を言い渡されます。そなたの身の安全のため、と。
はいと答えざるを得ない沙羅、内心納得していないので一悶着ありそうです。

場面変わって、沙羅は梨壺の東宮の元へ挨拶に伺います。
すっかり健康そうな東宮様、元どおりの可愛らしい笑顔に沙羅も心から安堵しますが、三の姫は現状に不満がある様子を隠そうともしません。
五節の尚侍はまだ気持ちの整理がつかぬのじゃ、と東宮様が笑いながらたしなめるのに、だって悔しいではないですか!と食い下がる三の姫。
東宮様の口から、沙羅はここで初めて弓弦王の名を耳にすることになります。
主上はすでに後見人の式部卿の宮と共に、霊林寺にて弓弦王と対面していました。そぼ降る雨の中、渡り廊下から前栽越しにその姿を捉えた主上の驚きに満ちた瞳、すぐさまひれ伏した弓弦王の床についた指先、烏帽子のみで顔は見えずという台詞なしの印象的で美しい邂逅の場面、ページをめくると弓弦王の背後には僧たちが控えていることがわかります。その中心にいるのが先月も意味ありげに登場した、この寺の別当の銀覚なのです。
弓弦王は家督も少なく霊林寺で出家の話も出ていたとか。式部卿の宮は母の代からこの寺と縁が深いと。
怪しい、危険だと沙羅は直感しますが……。
寂しそうなお顔の東宮様、たとえ新東宮の詮議中であろうとも、水無月晦日(6月30日)の大祓で東宮の役目を終えることにした、と告げられます。その後は朱雀院にて静養の予定だと。
そうですね、東宮様の健康が何より大事ですからね……と納得してみせた沙羅の隣で、三の姫は涙をこらえるように目元を赤く染めて、言葉もなくうつむいています。
大祓の後は主上を一番にお助け申し上げられるのはそなただけ、
「主上を お守りせよ」
東宮からの最後の命令、力強いお言葉に、
「はい」と沙羅も精一杯の笑顔でこたえます。
東宮の御前を辞して三の姫と二人きりになった沙羅が、梨壺の女房が少なくなったような……?ともらすと、「いかにも!」と怒ったように三の姫が言います。半数がすでに辞めて行ってしまったと。
心配して去就をたずねる沙羅に、三の姫は苦しい胸の内を明かします。
東宮様をないがしろにした上様にお仕えする気になれませぬ。当然入内のことも、出世欲に凝り固まっていた自分を今では恥ずかしく思います。東宮様は「新しい東宮にお仕えせよ」と仰せですが、お断りするつもりです。
東宮様を裏切りたくない、私が最後の一人になっても……あの春の日のような御方にしかお仕えしたくない。
「わかります」
と同意する沙羅の目にも涙が。最も我慢強い人が、最も心優しい人が、報いられることなく運命に押し流されようとしている……。
「東宮さまをお慕いする者の気持ちはみな同じです」
そう言って自身も泣きながら沙羅に身を寄せる三の姫、抱き合って慰め合う二人が哀しくも美しいです。
そして新東宮は弓弦王で決まりかという前評判の中、式部卿の宮を伴い弓弦王がついに参内します。皆それぞれの不安や緊張を持ってそれを出迎えますが、現れたのはまだ幼さの残る、あどけないお人形のような皇子でした。
上様より弓弦王に親王宣下が下されたところで、次号へ続く。

前半は萌えどころが一杯で非常に楽しかったんですが、一転して後半は涙と緊迫の展開に……。ところでこの弓弦王、やっぱりモデルはあのお方?(・・;)小さいお顔にでっかいお目々、どうしても連想しちゃいます。良い子そうだし、あんまり悲しいことにはなってほしくないなぁ、一体どうなるんでしょう!帝と沙羅は恋愛初期の楽しさに溢れているので当分このままでもイイですね(^ ^)楽しい。

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