1ヶ月って本当あっという間ですね。
今月も「何食べ」最新話が読める週がやって参りました。
今回のお話はシロさんのお仕事関係で、ちょっとシリアスな内容でした。いつも通りシロさんとケンちゃんは幸せなんですけどね。
以下ネタバレありの感想です。
[adchord]
きのう何食べた? 97話
「当番弁護士」の当番の日、事務所で待機するシロさんから始まります。
当番弁護士とは、逮捕された人に、弁護士が一回無料で面会に行く制度だそうです。
家族や関係者が頼んだり、本人が依頼する場合は、警察官に「(当番)弁護士を呼んでください」と伝えれば、その地域の弁護士会を通じて会うことが出来るそうです。
この当番の日が半年くらいも前から決まっていて、その日一日は必ず電話がつながる状態で待機していなければならないのですが。
その電話が、今日はかかってこない、と。
「筧先生ラッキーだったねぇ!」
電話なかったから今回は当番の仕事なしだね。と、にこやかな若先生。
「ま、そういう日もあります」
と澄ました顔で帰り支度をして、多分内心かなりご機嫌のシロさんです。
まあ確かに電話がないということは(刑事)事件もなかったということで、「良かった。病気の子はいないんだ」的な、平穏な一日が終わった……と思いきや。
その2日後。
夜の新宿の公園で、売春防止法違反で23人が一斉検挙!
その日の当番だけでは弁護士の数が足りないので、日を遡って応援をお願いしておりますが、筧先生のご都合は⁈
という何とも断りにくい電話が入ってきてしまいました……。
「筧先生、アンラッキーだったね〜」
「そういう日もあります!」
と、若先生と前回から登場の山田さんに見送られて、仕方なく出かけて行くシロさんです。
何でも女性が勾留される場所は限られていて、23区内には3カ所しかないそうです。女性が留置される場合は、担当する留置係も女性にしなくてはならない等の理由のため、なかなか増やすことが出来ないのだとか。
そして今回の被疑者が留置されているのは北区の「西が丘分室」。もっとも事務所から遠く、かつ銀座から行きづらい場所なのです。(しかも同日に弁護士との面会が集中すると、接見室が開くのを長時間待たなくてはならない場合もあるそうです。大変ですね)
「結局貧乏くじ引いちゃうとこが筧先生らしい」なんて、志乃さんに言われてますよ〜。
接見した西松さんは黒髪ロングの若い女性で、ちゃらちゃら着飾っているとか派手な感じではなく地味。ですが、怯えるとかパニックになるとかではなく、まあつまりかなりふてぶてしい、投げやりな態度です。
今回は2回目の逮捕。
今回は不起訴ってわけにはいかないかなー…とシロさんが言うと初めて少し慌てました。刑務所に入るってこと?と。
「それはないです。安心して」
罰金2万円くらいでしょう、と。
2万円!何とも微妙な金額…?ですが、売春は禁止事項(法律違反)ですが罰則規定はない、というのが売春防止法なのだそうです。これは、そもそも売春をする状況に置かれた人は、保護されるべき社会的弱者であるという考えに立って出来た法律だから。売春を助長する行為を取り締まり、売春そのものを社会から失くすことが目的です。
しかし西松さん、この2万円がない、と。
親は離婚して行方知れずで兄弟もなし、祖母と2人暮しだがもちろん祖母も金がない。友達からはすでに借金していて、それを返すために稼ごうとして捕まった。
その友達に連絡取って欲しいから弁護士呼んだんだった!捕まってホストクラブの借金返せないわ、ゴメンって、あたしの代わりに友達に謝っといてくんない?
驚くべき言い草ですが、シロさんハイハイと受けてます。使いっぱしりも業務の内とは、弁護士先生もタイヘンですね〜。
じゃあ親・兄弟・友達以外で誰か、誰でもいい、今のあなたを助けてくれそうな人(大人…とシロさんが言ってるから、この西松さん、まだ二十歳そこそこなのかな?)いないかな? と粘り強く話を聞くシロさん。
西松さんはちっと舌打ち。誰もいねーよ。風俗店も遅刻でクビんなったし、だから立ちんぼしてんじゃん!と。
「弁護士さんみたいな人には分かんないよ!
(仕事だからあたしの話きいてくれてるけど)どうせ家に帰ったらきれいな奥さんと子供が待ってて、親だってまともで、友達もたくさんいるんでしょ?
そういう(幸せな恵まれた人生送ってきた)人には分かんないよ!
頼れる人なんてあたしには全然いないんだって!」
拗ねてひがんで斜に構えた西松さんの歪んだ表情。
それを見つめるシロさんの真剣な顔……
「妻も子も俺にはいないよ」
予想外の返事に西松さんはうろたえて、その意味を噛み締めるように沈黙します。
友達もそんないないけどね、と正直に申告するシロさんがおかしくてちょっと和みます。
「あの!」
お金貸してくれるかは分かんないけど、子供産んだ後しばらく施設入ってて(母子生活支援施設かな?)そこで仲良くなった先生がいる!と、西松さんがシロさんに訴えました。
その先生の話を持ち出したことこそが、シロさんの真摯な態度に心を動かされたってことかなーと。
頼ったら助けてくれる人がいるかもしれない、っていう。
帰りの電車、結局2万円は施設の先生が払ってくれる事になり、いい人で良かった……やれやれだ、とシロさんもお疲れですが、その先生が自腹切ったってことですよね!本当にいい人だ……。
スーパーにも寄れないし、ありもので手早く済ませよう、と一気に日常に戻るのがさすがベテラン弁護士さんという感じでかっこいい!
今日のメニューは、
・坦々うどん
・とうふのなめこあんかけ
ケンジも一品でいいよ〜と言ってるのに、副菜の呪いにかけられた男・シロさんのおかげで2品に。
盛り付けもキレイでお店のご飯みたい!結局副菜ぱぱっと作っちゃったんだ、あんかけって秋冬の味よね。おいしい、幸せ〜♡
毎日のご飯でこんなに細かくホメられて、シロさんこそ幸せね、と思ったら。
俺も今日昼メシろくに食えなかったから沁みる、幸せ〜♡
と、シロさんも語尾にハートだあ!
(キレーな奥さんも子供もいませんけどねー)と思いつつ。
規格外の人生だけど、それでも毎日幸せだよ、と。
シロさん、ケンジと暮らす時、一生分の勇気を振り絞ってがんばって、その後も日々関係の継続のために努力しているもんね。
西松さんもそのことに気付いて、少なくとも子どもを幸せにしてあげてほしいな……。
次回は47号(10月20日)に表紙で登場です!10月21日発売のコミックスと連動ですね。楽しみ2倍ですね!
最近(今更)ジャイキリにドハマりしているんで、やった!モーニングを買う楽しみが……!と思ったら43号は休載だったでござるw上手くいかないものです。