舞台化決定で盛り上がっている今しかない!ということで、やる気に火がつきました。
検索キーワードの上位がすべて「サムライファイト」関連で埋まってます(昨日何があったのかびっくりしましたが、今回はすぐに原因がわかりました)。
ナタリーの記事などで、初めて続編の存在を知った方も多そうですね。「サムライファイト 何巻まで」「サムライファイト 一巻だけ?」というキーワードを見るにつけ、うんうんそう思うよね〜世の中に理不尽で納得出来ないこといっぱいあるよね〜!と共感しきりです。
以下、ネタバレありの感想です。
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集英社文庫コミック版「ホイッスル!」樋口大輔 全15巻
1巻
トレーシングペーパーの帯付き。カバーが全て描き下ろしであることが目玉なので、透け感のある帯はいいですね!表紙は将と水野くん。……水野が手前にいて2倍くらい大きくて、しかも裏表紙はそのトリミングしてない全身像って、主人公は誰なのか、デザイナーに若干イラッとさせられますが、「描き下ろしマンガ8ページ」「新キャラクタープロフィール付き」の豪華特典の前には小さなことですね(^^)
STAGE1〜13まで収録。初出は1998年の週刊少年ジャンプ!
サッカーがやりたくて転校してきた中2の将が、古巣武蔵森と練習試合をするまで。主要キャラクターも出揃って、将の頑張りが大体良い方へ向かうので、読んでてわくわくしますね〜。間に挟まれる鉛筆描きのカットもそのまま収録。この巻はキャラクタープロフィールは元のままですね。
さて描き下ろし!どっからどう見ても7ページしかないように感じますが、佐藤成樹22歳がチャラかっこいいので気にしないことにしますyo!
2ページの短編が3本。
<サブリミナル>
サッカーに背を向け、都会の片隅でひっそりと生きている男、ソウさんの行きつけは河川敷のおでんの屋台。主人のおやっさんと会話するでもなく、美味いおでんに冷や酒飲んで、孤独な罪人の俺にはそんな空気が心地良い……ところがいつしかおやっさんはサッカーの教本を読み、ラジオはいつもサッカー中継、サッカーボールにスポーツ新聞と、「あんたがサッカーに興味あったなんて初耳だ」と13話で言われたけど、十分サッカー熱を呼び覚ましてくれてたよ……っていうお話。
<水野の友達(ダチ)>
武蔵森にいる知り合い、桜上水では陸上部の尾田くん(席が隣だったから)、もしかして他にはいないの?と心配する神の声に、「い…いるよ!」となぜかどもる水野。そこへ「水野くん!」と声をかけてくれるサッカー部の面々。嬉しそうな水野の肩を抱いて「俺もおるやん?」とシゲ。「よくゆーよ」と強がりながらも嬉しい水野。友達たくさんできて良かったね、と神の声……。水野スキーによる水野スキーのためのまんが……。
<黄金の日々>
シゲ22歳。中学ん時はブイブイ言わしてた武勇伝を語る。街を歩けば世話好きのおばちゃんたちからおかず持ってってと声がかかり、おばあちゃんは見るだけで寿命が延びるとお菓子をくれ。逆ナンもあったな。
「ちょっとあなた。あたちのだんなたまになやない?」と、まゆたん5歳。
「お、いきなり大胆やな。ええんか?俺、悪い男やで?」
「ちゅまんないおとこよりいいわ」
そして第7話のお砂場でままごとのシーンに続く。
もててねーよ!とつっこむ水野と将21歳が仲良しでなごむ。シゲ大好きだから前の2本に比べて面白く感じるファン心理。
あと功兄の弟愛があふれる4コマが一本。
文庫化に寄せて、この作品は敢えて年代を明確にして、当時の日本サッカーを取り巻く状況そのものを描きたかった。それだけの魅力を感じていたから……というような先生のコメント付き。
1998年に連載が始まったわけですが、中学生なので誰も携帯持ってないし、夕子先生のファッションもシンプルなのでそんなに違和感ないし、充分今でも読めますね!
2巻
将とシゲ。1巻と同じく主人公は誰状態だけど、シゲ大好きなので全く気にならないです。単純。
STAGE14〜28収録。
ほぼ武蔵森戦。最後に不破くんが登場。
描き下ろしマンガはなくて、先生のコメントが1ページ(ここのペンの入った不破くんがもしかしたら描き下ろしかも)。夢のために不断の努力をしようという意図が上手く伝わらなかったかも、という作り手としての懸念について。やっぱり「ホイッスル!」は少年マンガなんだな〜と思いました。
3巻
なんと将がついに消えた!小島ちゃんと不破くんが表紙です。
STAGE29〜43収録。途中から1999年になりました。
小島ちゃんがサッカー部にマネージャーとして入ってきた時の、「男子目当てって他の女子に陰口言われるのが嫌」って発言、女性作家ならではって感じですね。少年マンガでも「ベイビーステップ」とか「湯神くん」とかついつい女性作家のものばかり読んでしまうのは、やはり細かい心理描写が好きだから自然にそうなってしまうのかな〜?と自分で思います。
小島ちゃん・ソウさんがサッカー部に参加。天城のいる国部二中との練習試合まで。
この巻の描き下ろしは6ページまるまる武蔵森!しかもサッカー部の松葉寮を舞台に朝の風景、なぜかナビは不破と好きな人にはたまらない短編です。
渋沢先輩、朝の4時半に起きてお茶飲んでる……おじいちゃん。
5時、三上・近藤、根岸・笠井、間宮・藤代の3部屋のそれぞれの起床の様子。
早朝練習、食堂での朝食のメニュー、フリータイムにネットサーフィンする三上先輩が2006年って感じ。藤代が要領よく楽しく暮らしているのが微笑ましい。ネクタイを締めている描写にギムナジウムっぽい!と欄外に先生から一言。実際のドイツのギムナジウムには制服はなかったようですが、そう言われてみると、鉄板のリボンタイをしたみんなも見てみたかったかも(笑)。
4巻
不破と藤代。2006年描き下ろしの藤代くん、めっちゃかっこいい!3巻の最後から天城が出てるのに、表紙を飾れるのはいつのことか……。
STAGE44〜58収録。
全国中学校体育大会の地区予選まで、各自レベルアップに取り組んだり、偵察したりと日常風景が楽しめる巻。
描き下ろし2ページ×2本。
<クラッシャー不破の真実>
うさぎの糞から爆発物を作製し、教室を大破させた中1の不破くん。保護者である不破の父親に苦情を申し入れる学校の先生。しかし父の反応は……。
「エコロジーな爆薬として特許を取る!」
親としてきちんと叱って下さい!と先生がめげずに訴えると、
「それでも不破家の男か?」
俺は8回、じーさんは10回破壊してるぞ!と斜め上。
完全にコメディーですね。
<小島有希制服図鑑⁉︎>
もう一本も負けず劣らずバカバカしい。
進路で悩み、兄に電話で相談する小6の有希。
明希人さんはチームの寮に入ってます。
妹のために女子サッカー部のある学校を知っている範囲で伝えている内に、あそこの制服かわいいんだよなと脱線していくお兄ちゃん。どこもお嬢様っぽいスタイル。
「お前なら可愛いからどこでもOKだぞ」
かわいいからってなんの関係が?と不審に思いつつ流して、兄にお礼をいう有希。
明希人さんあほかわいいですね!調子に乗ってるところを週刊誌に抜かれて、成長した妹から冷ややかな目で見られてほしいですね!それをダンナがフォローしてたら最高ですね!妄想がはかどります。たった2ページなのにすごいなー。
5巻
えぇ〜!(゚o゚;;三上先輩と水野!人気ありますからね、二人とも……。
STAGE59〜71まで収録。
地区予選一回戦の岩清水工大附属との対戦から(余談ですが会場が西が丘中学校って、自校の試合でもないのに会場を貸してくれているんですね。PTAがお手伝いするのかな?大変……)三回戦の雨の洛葉中学戦まで。
将の名台詞「今日だけは使ってもいいよね?お父さん」はこの巻です(^^)。今のぼくには使う資格のないものなんだけど、っていう前置きが好き。資格なんていつでもあるよ!そんなこと言ったら、可愛い子供を遺してなんの手助けもしてやれないなんて親は胸が張り裂けそうだよ、なんだって好きにしたらいいんだよ!と思うところですが、育ててくれたお父さんだけでなく、人から伝え聞いただけの父の人物像を大切にして、常に誠実であり、恥ずかしいことはしたくないという、将の気持ちが泣ける。
描き下ろしはなぜか麻衣子さま3ページ。
<昼のホイッスル劇場 黒バラの輪舞(ロンド) 第一話 運命の入学式>
タイトルは長いですが、入学式で有希と知り合った麻衣子さま。
いやいや入った学校だったけど、こんな綺麗な子がいるなら、一緒に「桜上水の二輪の薔薇」と並び称されるのも悪くないわね……と思ったら。
「上條さんって、頭悪くてお嬢様校落ちたんだってね?」
と悪気なく笑顔で言われて(有希、女子に反感買うの嫌だったんじゃないの?麻衣子には意外と心許してるのか?)、この屈辱忘れない!野薔薇ふぜいが!と有希をライバル視するようになったけど勝てない、というお話でしたー。百合好きだから、楽しかったです。
すっごい長くなりました!だからこの記事を放置していたことを思い出しました!
感想2に続く。