「湯神くんには友達がいない」7巻 感想 その2

「湯神くんには友達がいない」7巻  感想  その2

その1からの続きです。

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「湯神くんには友達がいない」7巻

第34話

いよいよ捜索が開始されましたが、小さい山にも関わらず、夜霧が深いこともあり難航しています。
湯神くん(たち上級生)の留守に、好き勝手していた野球部の面々も集まって反省会をしています。
・面倒くさい人だからキャプテンとは話もしなかった。
・放っておくのが当たり前になってた。
・いつも冷たくしてた。
別に野球部員だけでなく、湯神くんに関わる人全員がほぼ同じ対応をしていたような気もしますが、中でも門田はバッテリー組んでるのに!女房役なのに!と後悔しきりです。
一方足元さえよく見えない中、湯神くんを探すのを断念したちひろたち一行は、進路について意見の相違を迎えます。
4人で沢伝いに山を降りて助けを呼ぼう!真っ当な渡辺の提案を一度は受け入れたちひろですが、崖から落ちて意識を失っていた時、夢の中で湯神くんとした対話ーー大事なことは常にシンプルーーを思い出します。
リスクを負って、崖から落ちた自分を助けに来てくれた。百瀬さんを連れて戻ってくれた。湯神くんって付き合いにくいけど、悪い人じゃない。今ひとりぼっちで私たちを探し回っているだろうに、自分だけ安全なところに逃げていいの?
いつも人の顔色を伺い、何よりも和を尊び、責任を回避して常に問題を先送りして来たちひろは、ここで一人でも残って湯神くんを待つ決断をします。
それなら……とのっかってきた百瀬にも、自分で決断する勇気を求めます。
ここまで流れ流されてきた八重樫も、渡辺より湯神くんの方が信頼出来る!と言って座り込みます。
男女ともに修羅場w まさに非日常空間、遭難の醍醐味!
「友達?修学旅行中だけだよね」
「いなくなるんなら湯神くんじゃなくて渡辺くんが良かった‼︎」
ガッシー今までの鬱憤が爆発しました。
ここでちょっとインターバル。心配するクラスメイトたち。
電話もメールも繋がらなくて、不安な久住さんに元キャプテンの重原さんが電話をくれました。キャプテン、ほんとしっかりしてていい人。湯神くんはもちろんのこと、責任感が強く我慢強い久住さんが、無理してるんじゃないかと心配してくれました。
おお〜きゅんきゅんした!うっすらと頬をそめて、やっぱり強がっちゃう久住さん、可愛い!
一転して山の中では重苦しい雰囲気で、等間隔に並んで座る4人……。
それでも八重樫が独り言をつぶやきだしたのをきっかけに、ちひろのお菓子を分け合ったり、新撰組のハッピで防寒したり。話が出来る雰囲気が生まれました。
男子は先程かなり八重樫が本音をぶつけたので、謝ってお互い譲り合います。元々修学旅行以前は何の確執もなかったわけですしね。
問題は女子でしょ!今まで6巻と半分を(一方的に)問題を抱えて来た二人。
元々かなり嫉妬深く、女子特有の仲間意識が強い百瀬ちゃん。
大嫌いな湯神を一緒に嫌ってくれるのが友情だ。
自分がちょっとした意地悪をしても相手には好かれたい。
とプリミティブな欲望に従って来た過去の自分と、この極限状態で向き合うこととなった百瀬ちゃん、ついに自分の非を認めます。
膝に顔を伏せたまま、おそらく後悔の涙とともに「ごめん!!」と謝まる、肝心要のこのシーン。百瀬のアップから引いて、いかにもいたたまれない、超居心地の悪そうな渡辺を入れてくるこのバランス感覚!これこそが佐倉先生の真骨頂ではないでしょうか?
読んでるこちらに思わず微苦笑を誘う名シーンでした。
もちろんちひろは自分の態度も悪かったからと謝り、「香ちゃん」とすべてを水に流して受け入れます。途端に湯神のジャージが汗臭いと文句をいう百瀬ちゃん。二人の間に友情が生まれましたね!良かった良かった。

朝になったらなんと湯神くんが捜索隊と一緒に助けに来ました。
湯神くんが崖から落ちる夢を見てしまって、一人悲痛に泣いていたちひろはボーゼン。(泣き顔が全ページ漏れなく可愛いです。必見!)
ここは私のパーソナル萌えが爆発しました。「泣くなよ…」(ちょっと困ってる感)が大好物なので!!湯神くんで萌えた!最後の最後まで神回でしたね、まさに!
あとは救助されて、八重樫でオチがついて終わりです。

カバー見返しにも「いつもとはちょっとノリの違った話」と先生が書かれてまして、苦労が滲んだ文面でしたが、この素晴らしい回を読めて嬉しいです。
修学旅行編、思わぬ方向へ進みましたが、面白かったです。

……ここから続きを放置して約1年。残り2話分の感想です。

第35話

修学旅行のその後。班のみんなは表面上は変わらなく見えても、それぞれ少しだけ視野が広がったようです。その描き方がリアルでいい感じ。
ただ野球部員たちは遭難事件をきっかけに、キャプテンに対するぞんざいな扱いを反省したようで、湯神くんを慕い始めました。遭難の話聞かせて〜とちやほやされて、得意げにサバイバルしたことを語っちゃう辺り、湯神くんも普通の男の子ですね。
あと自分が活躍したように盛りに盛った話を広める渡辺と、歴研メンバーの対立が(一方通行気味に)顕在化してまいりました!8巻・9巻とコレずっと続いているのが楽しい。
そんなこんなで「遭難事件で活躍したヒーロー」に祭り上げられてしまった湯神くん、上りきった株が暴落するその時、パニックにならずにいられるか⁈
結論。いられました。なんせぼっちですから。株が上がってたこと自体知りませんでしたから。

第36話

湯神は遭難した山で女子とちちくり合っていた。
渡辺のせこくてちょっぴり悪意あるリークにより、野球部員は元より学校中から不当に低い評価を受けることになった湯神くん、その影響は意外なところに出ました。
湯神と修学旅行から付き合い始めた、という噂により、同じ陸上部の爽やかイケメンに、告白する前から失恋してしまった百瀬ちゃん!めちゃめちゃかわいそう……これはほんとツライ!この状況。こうなっちゃうと何も出来ないよね……佐倉先生の恋愛描写、上手いな〜!
野球部の面々も噂を信じてて、湯神くんに彼女が出来た前提でみんなで話し合うんですが、そこでマネの城戸さんがキャプテンにも結構いいところあるし、
「私はあの人好きだよ!」
と発言したことから門田が内心修羅場になって、でもそれを必死で打ち消すところとか、すごいリアリティ!ほんと心理描写上手いな〜。
結局教室内で渡辺を問い詰めた結果、ほんのちょっとだけ誤解は解けて、
「まあ噂の正体なんてこんなもんだよ!
気にする必要は一切なし‼︎
だって俺の事は俺が一番分かってるからな!」
と涼やかに名言を吐いて、湯神くんはそれで気が済んだようですが。
同じ班になるまで会話一つしたことないのに、お互い好きとかあるわけないだろ!と言い切られてしまった百瀬ちゃん。
話したことはあるよ‼︎と思わず絶叫しますが、返ってきたのはなんとも気のない返事。「そうだっけ……」
存在の認識すら怪しいという事実が判明して、山より高いプライドをへし折られた百瀬ちゃんの復讐心に火が着きました。湯神の弱みを握ってやる!と。

あーーー面白かった!色々伏線もあるし、続きが楽しみ(^^)ってまあ、もうすでに9巻が出ちゃってますけどね……。

8巻の感想はこちら

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