「プリンセスメゾン」1巻 池辺葵 感想

「プリンセスメゾン」1巻  池辺葵  感想

可愛い表紙!金魚大好き!
中身が面白いって予め知っていて、買うつもりで本屋に行って、この可愛い表紙!すごく嬉しいです。装丁も素敵だな〜と思ったら、同じくあまりの可愛さに手に取らずにいられなかった、「感覚ソーダファウンテン」(雁須磨子)と同じ方の手によるものなんですね。
折り返しの片方に簡素なキッチン、もう片方に見上げる沼越さん。いいなあ。
ソファやペンダントライトが素敵な分、玄関からなんのワンクッションもなく部屋、テーブルの向こう側すぐにバスルームと、この狭さをこう使うんだ!って驚きと美意識の高さを感じました。収納なしは現実にはありえないな〜って思いますが、いい絵ですよね。池辺先生の絵は、光と影が絶妙です……!

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プリンセスメゾン 1巻

企画物の本作、小学館の無料WEB漫画サイトの「やわらかスピリッツ」で連載中です。
1話22ページと短めですが、その分一巻に9話入っているのでお得!お得感で4コマ漫画が好きな私には嬉しい。それに作風に合っていて、読みやすかったです。
以下ネタバレありの感想です。

居酒屋チェーンの社員(内勤とかじゃなくお店で接客)の沼越さん。年収250万。年齢不詳のおさげでちっちゃくて丸くて可愛い。彼女は自分の一人の力で、自分の終の住処となるマンションを買うべく、モデルルーム巡りをしています。
池辺ヒロインらしく、努力家で、真面目で、一途でマイペースで、ちょっと変わり者なんですが、あまりお説教しないのと(ちょっとはするw)、目標(マンション購入)が共感しやすいので、比較的取っつきやすいヒロインと言えます。てか可愛いです!いじらしくて。
モデルルームの社員さんたちが自発的にちょっとした親切をしてくれるようになるんですが、もう納得の可愛さです。単に働く女性と家の購入にまつわるオムニバスストーリーでなく、この沼ちゃんに周りの人が少しづつ触発されていく形式にしたところが本作の素晴らしいところです。

沼ちゃんは居酒屋「じんちゃん」に勤続8年の26歳。ファミリー向けタワーマンションなど、彼女のスペックからしたら夢のお城のモデルルームを、いつも一人でなんでも見て回っています。常連なので「鉄の心の持ち主」などど陰で言われています。沼ちゃんは六畳一間の小さな長屋タイプのアパートに住んでいます。
いつも取り澄ました、持井不動産の社員の伊達さん(メガネ男子)。
勉強熱心な沼ちゃんに半ば感心し、半ば呆れていたのですが、ある日の通勤途中、偶然に沼ちゃんの生活を垣間見てしまい、身の丈にあった物件を探すよう、差し出がましいのを承知で忠告するのですが、勉強のための物件巡りに満足して、ちょうど同じ考えに辿り着いた沼ちゃんに、「今度から1LDKに絞ります」と言われて……。
礼儀正しく、お客様のプライベートを詮索するタイプでないだけに、思い切って忠告しただろう伊達さんが、斜めに傾くほど衝撃を受けてるのがおかしくて可愛いです。

その様子を見ていた受付の派遣社員の要さん。
以前から沼ちゃんに好感を持っていたので、ちょっとした親切から一気に仲良しになっちゃうところ、泣けるほどいいです!働く一人暮らしの女性に本当に必要なものは、ちょっとした親切、裏のない好意、節度のある友情なんだなーって。
第6話の「わたしのいえ」は最高です!WEBで読んだ時も泣きたいくらい感動しました。
沼ちゃんの現在の住処のぼろアパートに遊びに行った要さん。
おもたせの人形焼でお茶をするのに、自分用にはお茶碗を使い、
「人をお招きするの初めてで……」ってはにかむ沼ちゃん。
一人だけど家も片付いているし、すごくきちんと暮らしているんですよね。少しも卑屈な感じがなくて、初めてのお客様に嬉しさが隠しきれない沼ちゃんが可愛いのなんのって!
「私も。まだ誰もお招きしたことないわ」と答える要さん。
要さんも事情があって、狭いワンルームに住んでいるんです。
要さんは沼ちゃんが夢を実現出来るよう何かと励ましてくれるんですが、要さんは沼ちゃんから勇気や元気をもらってるんだな……って思います。
沼ちゃんのささやかな暮らしの喜びに触れて、思わず
「いいお家ね……」と漏らす要さん。
この最後の3ページの幸福感、心に沁みます。

沼ちゃんの手作りクッキーを、
「おいしゅうございました」って喜んでる伊達さん。
この二人は今後もっと親しくなれるのかな?そこも楽しみです。

マンション購入のための豆知識も載っていますし、書けなかったけど阿久津さんのキャラも好きです。やわらかスピリッツでは縦スクロールなので、やっぱりコミックスがオススメです!

2巻の感想はこちら
「繕い裁つひと」6巻の感想はこちら

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