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「とりかえ・ばや」感想② フラワーズ2017年7月号

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「とりかえ・ばや」episode59.幻覚

従者に馬を引かせて、都の裏通りの貧しい地域を訪ねるのは、吉野の宮と睡蓮です。
人々はその姿を目にするなり、馬上の二人の元へ駆け寄ります。二人が配った菓子を口にすると病気が快方に向かうと評判になっているようです。例の食べ切れないお菓子をリサイクル。米がなければお菓子を食べればいいじゃない(^^)さすが宮〜冴えてる!
「ありがたい、先日の幻覚さまといい…」
菓子を受け取った女子が漏らした言葉を、睡蓮が不思議そうに問い返します。「幻覚?」
幻覚とは西寺の僧侶で、先日施薬院(庶民救済施設)で病人を助けた他に、朱雀院の病を祓ったとして評判になっている。右大臣からもお召しがあったそうだーーと嬉々として噂する女子たち。もちろん先日の美坊主のことです。ついに名前が判明!
朱雀院まで移動した宮と睡蓮、門の外で馬を降り、頭を下げて手を合わせます。
病が癒えたとは朗報だ、一の姫宮も喜んでおいでだろう。
宮の言葉には直接答えず、
「たぶん私はその幻覚殿にお会いしているように思います」平癒祈願の折、私も西寺におりましたからーーと真剣な顔付きで話を流そうとする睡蓮。
「姫宮にお会いできたのだな」
敢えて空気は読まない。ここでズバッと斬り込んでこそ吉野の宮さまです(^^)
「は…い。警護を仰せつかりましたゆえ」
と頬を染めて俯く睡蓮。周りの配慮に増長したりしない、ひたすらに真面目な好青年。だから周りも応援したくなるんですよね〜!
ーー私は自分の罪を思うと、宮中へ伺候できてもこの朱雀院へは出来ぬ……「申し訳なくてな」。
そなたは公式に罪を許され、姫宮はもう東宮ではないのに、まだ堂々と姫宮にお会いすることが出来ぬのか? そなたは私とは違う。誰に、何にためらっている?
宮の問いに、睡蓮は苦しい胸の内を明かします。
睡蓮の気がかりは主上ーー沙羅との入れ替わりを知られ、許される道理がない。それに姫宮が東宮にお戻りになる可能性もないわけでは……。
大局を見て、何よりも政が上手く行くようにーー歴史に名を残すお二人の障りにならないようにーー天意に逆らうより自分が身を引くべきかと考えている睡蓮。
でも一度知ってしまった愛を忘れることも出来ない。
「進むも戻るもできぬ。苦しいばかり…」
夕暮れの赤く染まりゆく空を眺めてそう呟く睡蓮。宮はぷっと吹き出して、笑いをこらえます。
「つくづくと姉弟であるなと思うてな」
宮は沙羅にも示した歌を持ち出します。天上の人に対する恋か、と。
意味がわからず戸惑う睡蓮に、宮は説いてきかせます。
思慮深いのは逆よりはいいことだ。しかし姫宮はそなたを信じて待ち続けておられる。いつまでも一生でも待たせるのか?
全ての条件が整うのを待つ内に、人生の方が幻のように儚く消えるかも知れない。
道を開くのは勇気だ。勇気は誰かを大切に思う心から生まれてくる。
「優しい右大将殿にそれが加われば鬼に金棒」私はそう思う。
どう生きるかを決めるのは自分次第なのだーー
夕焼けに包まれて、宮の言葉を心に刻む睡蓮です。
いつも誰かの背中を押して回って、吉野の宮は本当に立派な御方……。

場面変わって、内裏に弓弦親王が到着しました。沙羅のお見舞いです。
廊下で取り次ぎを待つ間、弓弦親王が一人になった瞬間を見計らったかのように、「どうぞこちらへ」と声がかかります。
例の幻覚です!
その姿を見ただけで、すでに術中にはまったかのように、素直に付いて行く親王。
こちらでお待ち下さいと、どう見ても薬の倉であるのにひとり大人しく座り込み、焚き込められている香に「強い…けむ…」と咳き込みながら、その場に倒れてしまいました。
怪しまれるほど長い時間ではなかったのか? 幻覚に揺り起こされ、外へ連れ出される親王。全ては夢? 幻覚を見ていた?
「尚侍さまもお待ち申し上げております」
迎えに来た女房たちに連れられて親王は沙羅の元へと向かいます。
「なつかしゅうございましょう? 承香殿です」
にこやかに言う十良子に、弓弦親王は「はい」と答えます。しかしその目は正気を失っているかのように虚ろで……⁈

「宮中に忍び寄る悪意ーー!!」の煽りが恐ろしい! 沙羅がどうなっちゃうのかも気になりますが、左大臣家という強力な後ろ盾を得て、独り立ちして行けそうだった弓弦親王はどうなっちゃうのーー?!Σ(゚д゚lll)
8月号で何か事件が起きて、9月号が休載だったらしんどすぎる! 心配!

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