テレビドラマ放送直前で表紙&巻頭カラー。はるな檸檬の撮影現場レポ付き。
オレンジと水色で明るく目を惹くこの表紙、ドラマのキービジュアルを再現しているのが憎い演出ですね。俳優さんにあまり興味はないんですが、お二人とも笑い方がキャラそのものですごい!
はるなさんのレポによると、スタジオではなくマンションで撮影しているため、カメラが何台も入れられずカット割りのために何回も同じ場面を延々と撮るのだとか。当然寸分違わぬお芝居を何度も……大変なんですねえ。ドラマの撮影って。
以下ネタバレありの感想です!
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この回は思い出話からのスタートでした。
今から十何年も前、元彼と同棲していた頃の若かりしシロさん登場! ほうれん草が安かったから副菜はおひたしで……と、ご機嫌に商店街を歩いてます。見た目が若いだけで中身は常に所帯染み。そしてノブさんは「小松菜は辛いって言って食べない」そうです。2巻で出てきた例のわがまま、気まぐれ、自己中、荒ぶる元彼ノブさんの登場ですよ!
「ノブさんただいま〜」と声をかけても返事なし。でもいる気配はする……と思ったら、PCに向かってノブさんは仕事中。(いるけど返事したくないわけね……)と苦々しく思いながらも文句は言わないシロさん。ノブさんの連れ猫かぼすちゃんは相変わらず可愛いです。
締め切り前でノブさんの機嫌が最悪なのは予測済みで、夕飯はノブさんの大好評の鶏のオーブン焼きを作るぜ! と、(不機嫌)対策はばっちり……のはずが、冷蔵庫の中に鶏モモがない!
ノブさんのところに飛んでいって「ノブさん食べた⁈」と詰め寄るシロさん。俺今朝、今日の夕飯に鶏モモ使うからって言ったし、ノブさんうんって言ってたよ! と必死に訴えるシロさん……。でもノブさんは無情に、聞いてないし、そんなこと言ってない! と。
ここまではシロさんも結構うざいな〜。この二人相性最悪に見えるけどデレる時はデレるのかな? とか思ってたんですが。
食費はちゃんと半分出してんだろ! 冷蔵庫の中のもん食って何が悪いんだよ! と問題をすり替えるノブさんにイラッとします。
結局シロさん泣き寝入り。(なぜならノブさんが渋くてかっこいいから!)
洗濯機事件といい、ノブさんとのエピソードは強烈で面白いです。「好みのタイプの男」に激弱で「何でも言う事を聞いてしまう自分」に嫌気がさしていながらも、どうしても変わることの出来ないシロさんがリアルで面白いんですよね。
努力して弁護士になって、銀座の居心地のいい事務所でマイペースに仕事してて、ナルシスト故に外見もかっこよく、ゲイってことは隠しているけど彼氏と同棲中。字面では割と完璧なライフスタイルも、変えたいけど変えられない、どこか何かが上手くいかない……と悩むシロさんの人間臭さに共感するからでしょうか。西洋骨董洋菓子店の橘さんもそうでしたね。
でも現在ではすっかりハッピー。
なぜなら「ケンジが全然好みのタイプじゃないため」「結構言いたい事を言って快適に暮らして」いるからです。
タイプじゃないのにずっと一緒にいるのは好きだからでしょ?
って、ジルベールに看破された通りに。
今では仕事終わりに待ち合わせをして「シロさんとお買い物デートだ〜♡」なんてケンジに言われても全然平気。「正確にはご近所スーパーでの買い出しだけどな」ってさらっと流してます。スーパーでスーツ姿の男性と、金髪でおしゃれ普段着みたいな男性の二人組が買い物してたらやっぱり目立つと思いますが、人目を気にせずいつも通りじっくりハンティングして、夕飯のメニューは牛丼にきまりました。
帰宅して、まずはスピーディーに副菜を作り、順調順調! とご機嫌にメインにとりかかろうとしたシロさんが、野菜室を開けるとあるはずの玉ねぎがない!
呆然としたシロさんを見て、どうかした? とケンジ。
「もしかしてお前、玉ねぎ使った…?」
「使っ……」
と、二人とも超シリアスに悲壮感たっぷりですが、話題は玉ねぎです!
ケンジ、使ってました。正確には料理に使ったのは一個で、もう一個は切ってみたら中が痛んでいたので捨てたんでした。
言い争ってもないものはしょうがない。メニュー変えるか! と切り替えようとしたシロさんに、今すぐスーパーで買ってくる! とケンジ。
使ったこと言ってなくて俺が悪いし。献立の栄養バランスや効率しっかり考えて作ってくれてるんだから予定通りに牛丼作りたいよね、ゴメンね…と、すぐさま飛び出して行きました。
言葉にしない気持ち、目に見えにくい手間や気遣いををわかってくれたこと。これがじんわり嬉しくて、シロさん涙目。ケンジがいない間に出来ることをやって待ちます。ケンちゃんはすぐに帰って来てくれました。
・牛丼
・豆苗のおひたし
・レタスのサラダ(空いた時間で急遽付け加え)
・しめじのみそ汁
早速牛丼をかっこんで、ケンちゃん幸せそう。あまりにも美味しそうに食べているため、俺は野菜から……と言っていたシロさんもたまらず牛丼に手を出してしまうほど!
しっかりとした味付けの牛丼を罪悪感なく食べられるのは、シロさんが他のおかずを軽めに作ってくれたおかげだよね、ありがとう! とにっこにこのケンジに、またしても心打たれてしまうシロさん……。
すれ違いがあったのに、すぐに軌道修正して仲直りして、お互い根に持つこともないって、相性最高の二人でしょっていう。
幸せを噛み締めるシロさんの背中が可愛いです。
シロさんの野菜から食べるというのは「カーボラスト」という考え方に基づいているそうで、「カーボ(炭水化物・糖質)」を「ラスト」最後に食べるという、二型糖尿病の食事方法をダイエットに転用したものだそうです。exciteニュースより。なるほど、簡単に実践出来て体に良さそうです!
次号は23号(5月9日発売)でした。
好みのタイプの相手と上手く関係を築けないって、割とよくあることなんでしょうか。好き過ぎてしまうってこと……。平和で幸福なのに退屈を感じてしまうっていうのもそんなところからきているんでしょうか。なんだか人間って寂しいですよね。