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「海街diary」最終話 感想③ フラワーズ2018年8月号

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「海街diary」最終話 行ってくる

[adchord] すずとハイタッチして別れ、出勤した佳乃。自然葬霊園の第二次分譲の打ち合わせのため豪福寺にやって来ました。そこで目にしたのは、樹木葬の二ノ宮のおばちゃんのお墓の前で手を合わせている福田さんの姿。ちゃんとお花も用意して。……こういうのいいですよね〜。「何食べ」で屋内墓地を扱ってくれたのといい、漫画なんですが私なんて超単純だから、好きな作品にこんな形もありって出てたと思うだけで、肯定的に受け取れます。自分の望む形、遺された人に負担のない形を最後に納得して逝けるなんていいことだなあって。
福田さんと挨拶を交わした佳乃、足元のトランクに視線を向け、今日ご出発ですか、と訊ねます。そこへ住職もやって来て、今日出発? 「まさか帰ってこないつもりじゃないだろうな?!」と驚きます。
福田さんはそれを否定して「わしの帰ってくるところはここしかあらへん」と言いました! 意外にも素直。しばしの別れの挨拶を交わして、二人に見守られながらお寺の門を出て、懐から取り出したのはおばちゃんの写真でした。もういない人の面影と旅に出るなんて無意味なことでしょうか? しかし人生の大半は意味のないことだと言います。これでいいのです。

佳乃の次は幸。ホスピス担当の看護師である幸、朝の光の中で患者さんのお見送りとなりました。以前より心の余裕を持って仕事をしているように見える幸に気付いて微笑むアライさんが。最後まで顔は出てなかったですがw 和みをくれたいいキャラクターでしたね。

そしてチカ一家も病院にいて、とっても健康そうな赤ちゃんの名前について夫婦で話しています。人生で最も幸福な瞬間の一つですね。微笑ましい。

最後はこの物語の主役、すず。風太が家まで迎えに来てくれて、二人で駅に向かいます。(江ノ電の極楽寺駅でお別れしたので、少しでも長く一緒にいたかったから? いじらしい……)
「梅見た?」
「ああ。けっこー咲いてたな」
おまえがむこうに行ってる間は俺が手入れしとくから、と風太。(←これってどうなんだろう……自分の娘のBFがこんなこと言い出したら嬉しいけどちょっと微妙な気もしますね!)
うん、ありがとう……とすず。
本当は新生活がちょっとだけ不安だとか、ホワイトデーのお返しやるから新幹線で食えとか、ありがとうとか、素直に想いを交わす二人。
「じゃあ行ってくる!」
「おお、行ってこい」
すずが電車に乗り込んで、その電車が見えなくなっても、二人は今度はLINEで会話します。便利便利。でもその便利な世の中でも、なぜか心のすれ違いがなくなるわけではないのが人間同士のお付き合い。
「この先の未来も、幸福が何かも、正直よくわからない」
世界は偶然の連続で、確かなものは何もない。
でもすずは旅立ちます。広い世界に、自分の生きる意味を求めて。すずがどこへでも行けると思うのは、帰る場所があるから。それは鎌倉という場所ではなく、──すずが確かに幸福を感じた、誰にも干渉されることのない記憶の中の思い出なのです。それがすずを支えてくれます。
幸福は素直にそれを感じる心があってこそ!
愛と勇気と再生の物語、12年の歳月を経て堂々完結です。

途中キャラクターが増え過ぎて、その上関係が密接すぎて読むのをやめていた時期もありましたが、すごくいいお話でした……これだけの長期連載でこれだけきれいに終われるなんてそれだけでもすごい! 感動です。涙のない最終回もよかった〜。
9月28日発売のフラワーズ11月号に番外編が掲載です。後日談かな? 楽しみ!!
今回は物語を振り返る年表も載ってたんですが、こんなに長く読み続けたキャラクターともうお別れなんて寂しいです……。

番外編の感想はこちら

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