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「海街diary」最終話 感想① フラワーズ2018年8月号

[amazonjs asin=”B07F1J6H8Q” locale=”JP” title=”月刊flowers 2018年8月号(2018年6月28日発売) 雑誌”] 巻頭カラーで最終回ですが、雑誌の表紙は岩本先生の「マロニエ」。前回の4月号もそうでしたね。おまけに「堂々最終回!!」という煽りはあるもののカットは「BANANA FISH」(しかもアニメ)。まあ放送直前に発売した号だから…(笑)
キービジュアルが出た時にはおおっ現代風!と驚きましたが、動くとほんとアッシュも英二も素敵(^^) 中も関連情報てんこ盛りです。アニメはアマゾンプライムで配信しているし、フラワーズ自体も電子で買われている方が増えているんでしょうね、きっと。
最終回記念でカラーページでは12年間の歴代扉絵を一挙公開。一つ一つは小さいですが……懐かしい。2006年!こうして見ると佳乃変わったな〜。鎌倉の風景が素敵。桜と紫陽花、海と青空、そして意外と多いのが階段。吉田先生のカラー、発色がよくてきれいですよね。
最終回の扉絵はすずと風太と仲間たち。江ノ電の脇で制服で。将来も二人は、この仲間たちはずっと一緒にいるのかな? まだ中学生ですからね〜(笑)。人生何が起こるかわかりません!
では、以下ネタバレありの感想です。
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「海街diary」最終話 行ってくる

まだ寒い冬の朝、足元までしっかり防寒して郵便受けに新聞を取りに出た身重のチカ、曇天に梅が咲き出したと喜んだのも束の間、天からの手紙──雪が降り出しました。
道理で冷えるし、出勤の足元が心配という姉たちをよそに、すずは窓の外を見て一人はしゃぎます。チカが梅が咲いたことを告げると、それにも大喜び。
「風太くんのおかげね」と、幸。
なんでも冬の間に枝を落とすと木に良いとネットで調べて、実際に枝打ちに来てくれたそうです。もちろん前回すずがいっぱい花が咲くといい、実がなるといいなと言ったから!
お姉ちゃんたちもそれはわかっていて、すずに「いいトコ見せたかったんじゃない?」と好意的。
それだけじゃなくあの子は「緑の指を持ってるのよ」と幸が言い添えます。植物も同じ生命なんだって、自然にそう思って大事に扱ってくれるいい子だわね──ほとんど親代わりの長姉・幸に言われると、すずもその言葉が素直に心に沁みてくるのでした。

雪はどんどん降ってきます。明日は引っ越しなのになーと、出勤前の幸にぼやいてみせる産休中のチカですが、まあ後は服と小物だけだしねえと大きなお腹をさすりながらのんびり。
ホントに大丈夫なの? とお説教スイッチが入りそうな幸に、へーきへーきと答えて「今までありがとうございました」とチカ。お姉ちゃんだってまだまだコドモだったのにさ、一生懸命お説教してくれて、育ててくれてありがとう、と。
外は雪だし、チカはお腹が大きいし、しんみりしそうな場面ですがそこは幸。
「あんたたちの家、目と鼻の先じゃないの!」何かにつけて実家頼っちゃおって思ってんじゃないの⁈ 晩ごはんとか!
ははは……と愛想よくしながらも(図星だし。ヤな女だよまったく)と内心で毒づいているチカなのでした。図星なんかいw でも仕事と初めての子育てじゃ、周りの助けがあればあるほどいいから、実家の近くはやはり心強いですよね(^^)

雪の通学路で風太に出会ったすず、真っ先に梅が咲いたことを報告します。
「ありがとう。それから、ごめんね」
実はすず、枝打ちに来た風太に受験生がそんなことしてていいのかと文句を言ってしまったのでした。済まなそうなすずに、気分転換になったから気にすんなと風太が言いかけたところにマサ登場。風太の受験でちょっとピリピリしていたと思われるすずがせっかく素直になっているのに、間が悪い悪い(笑)おはようも言わずにマサを置いて走り出す二人。息ぴったりです。

病院では休憩中の幸とヤスが窓の外を眺めています。雪はもう小ぶりで、積もる心配はなさそうでほっとする幸。ヤスもチカの引っ越しの手伝いに来てくれるようです。作中時間が秋から冬の終わりに飛んだ間に、無事家族ぐるみのオープンなお付き合いに発展したようで、よかったよかった。
「チカちゃんももうすぐママかあ」というヤスに、幸は今朝のやり取りを話します。
今までありがとうって……「おかーさんじゃないっての!」と眉をひそめる幸。ヤスはそれを笑い飛ばします。
「でもそれはそうだと思うよ」
君は長女の責任感からそうならざるを得なかったんだろうけど──君の本質が面倒見のいい、心の暖かな人なんだよ。人を許して、受け入れて、さらに手を離すことも出来る。君の決断で、すずちゃんが今この街に暮らして、縁あって僕らもこうして一緒にいる。全部「面倒見のいいお姉ちゃん」のおかげだ。
「これってすごいことだと思わない?」
「うん、思う」
ほんのりと頬を染め、素直に頷く幸。
ここもいい感じに収まってよかった。お似合いの二人!

さて、いよいよチカの引っ越し当日。幸の予言通りてんやわんやで、段ボールに詰め込むそばから運び出すの突貫工事。借りて来た尾崎商店の軽トラに荷物を積んで、引っ越し先はすぐ近くなので風太とマサはそれを追って走っていきます。男の子元気でかわいい。
「もうチカちゃん『よその家の人』なんだ」トラックを見送って少し寂しそうなすずですが、佳乃は「大丈夫!」あの夫婦、絶対そろってご飯食べに来るだろーし、すぐにチビも加わってさ、以前より賑やかになるわよ! と。
そこへ黒猫飛脚の宅配便が、例の直人の卒業制作の写真集を届けてくれます。
床の間で撮った結婚写真、タキシードにウエディングドレスの和洋ミスマッチがいい感じ。すずは同封されていた直人からの手紙を読みます。
去年の秋の浜田店長の消息不明事件の時、実は直人は卒業後の進路について悩んでいました。家業の呉服屋を継いで伝統とともに生きる──でも違う何か、新しいことにチャレンジしたいという夢も捨てきれない。でもあの一件で「生きてるってことはそれだけで奇跡の連続なんだ」とわかった。チャレンジも失敗も悩みさえも生きてこそ、平凡な毎日の繰り返しの賜物なんだと。
「すず、すずの写真もすごくいいよ──」
悩んで迷って少しだけ吹っ切れて、前へ進むことを決めた直人が撮ってくれた写真。
一度しかない中学三年生の、すずの写真。
お姉ちゃんたちはきれい! カッコイイ! と褒めてくれますが、まだまだ自意識の塊の中学生、すずはチラ見しただけで恥ずかしくてたまらず、写真集を持って逃げ出します。いつもと違う自分、澄まして写真に写っている自分を客観的に眺められるようになる頃、すずは何をしているんでしょうか。

②につづく

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