「花よりも花の如く」13巻 成田美名子 感想

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「花よりも花の如く」13巻です。
9月の発売後すぐに買ってはいたんですが……今回はちょっと辛口になるかもしれません。
個人的意見ですので、ご了承ください(・・;)
[adchord] いつのまにか花とゆめコミックスの装丁が変わって、絵が全面に出るようになったのが嬉しいですね。
とはいえ次の作品からはB6版になってほしい。この美しい絵を大判でみたいものです。
隔月刊行のメロディで連載中。なんと2001年に連載開始なので、もう13年も続いているんですね!サイファが全12巻なので、それを抜いて最長の作品となったわけです。
前作の「ナチュラル」のスピンオフ的に始まったので、こんなに長く読むことになるとは予想外でした。

13巻はケントさんの恋の話がメインです。
そもそもそこをじっくり読みたい派と、それは味付け程度でいいから本題の能の話を読みたい派に分かれそうですね。私は前者ですが……。
不倫関係やDVなどが出てきた12巻の「紐頓の林檎」から、「一三五度」というサブタイトルのお話につながります。
135度とは「日本の標準時を計算によって決定する際の基準となる」子午線のことで、その説明も多いんですが、よくわかりません。(Wikiから説明を引っ張って来ましたがリンクの仕方がわかりません。すみません)
あと能の部分は正直流し読みなので、作品そのものをよく理解出来てないかも…!
じゃあどこを読んでるの?って話ですが(^_^;)12巻の最後の最後でケントが葉月に告白をしたんです。少女漫画脳としてそこだけは続きがきになる!と。

ここからネタバレです。

告白したものの、その後葉月からの返事はなく、二人の間にどこか気まずい空気が流れ……ここからすれ違いが始まります。
といっても、どうして返事をくれないんだ!あなたに私の気持ちはわからないわ!みたいなのではなく、単に物理的にすれ違っているだけなので、どうしてそこまでケントがズレを意識するのか正直良くわかりません。りんごを届けに行った時でも、葉月と話せば良かったのに。
でも葉月さんがよく神戸に行っていたのは、震災がらみだったんですね。ここは感動しました。関心を持ち続けるって本当に難しいことだから。ケントもズレを感じてないで、素直に葉月という女性の情の深さに感動して欲しかったな。偽善っぽく描きたくないのかも知れませんが、葉月の好感度上がるエピソードなのに、ケントが考え込んじゃっていると、読者としても入り込めないので。

結局2人は恋人同士になったのかその手前なのか、よくわからないまま(!!)終わったので、消化不良な感じでした。
全体的にもやもやしてあまり楽しめなかったんですが、これは私が能のお仕事部分、歴史・天文のうんちくをほとんど読み飛ばしているからかも知れません。
すべてのエピソードにいろんな暗喩があるのはわかるんですが、読み解けない…。
12巻の「紐頓の林檎」が、まとまっていてテーマも明確ですごく面白かったんで、今回期待しすぎたかな?
「フラワー・オブ・ケント」、成田さんのマンガを読む醍醐味ってこれなんだよあなって思いました。無責任な噂をケントの一言でひっくり返す展開も。
ただ「まわりにはすごい人ばかりいて」とケントが思う中に葉月が入ってないのが寂しかったけど。

でも完結までは絶対読むと思います。やっぱり絵が大好きだし、作品そのものの静謐な雰囲気が他にない貴重なものなので。
あと葉月さんの髪の結い方がいつも素敵だと思います。

14巻の感想はこちら

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