バラ色の聖戦95話 感想「Kiss」2016年7月号

バラ色の聖戦95話 感想「Kiss」2016年7月号


えっもう7月号⁈ 時の流れが早すぎる。今年も半分が過ぎてしまいました。そして今月の「バラ戦」は劇的な変化が起こりましたよ!ちょっと納得のいかない展開だったかも〜?
以下ネタバレありの感想です。
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「バラ色の聖戦」Stage.95 女王復活⁉︎

もうね、サブタイトルの通りです。復活しちゃったんです、不死鳥のごとく。それはね、その方がうんと面白いに決まってますからいいんですよ、いいんだけど……。

紗良の姉が経営する美容クリニックが倒産して、自己破産を申し立て中に債権者からそれは不当だと訴えられました。
クリニックを開業したのは3年前。当初から赤字続きで、開業時の借り入れを返済するどころか自転車操業……対外的には順風満帆な振りをしながらも、ずっと苦しい綱渡りをしていたお姉ちゃん、今はもう見栄を張ることも出来ず、家族の前で泣き崩れひたすら「ごめんなさい」と繰り返します。
紗良ママの反応が激烈!
このウソつき!
だまされたわ、一番自慢の娘だったのに!
親戚になんて言えばいいの。
恥さらし!あんたなんか産むんじゃなかった……!
と丸々一ページにわたり娘を罵倒!
泣きじゃくりながらも、何一つ言い返せない清美。
あんなに可愛がって、どんな時もお姉ちゃん優先だったのに!と紗良もショックを受けて言葉が出ません。お父さんが止めに入りますが、
「もうあんたとは親子の縁を切るわ。お母さんの娘は綾と紗良だけよ!」
止まらない暴言に、ついに妻を平手打ち。
いい加減にしろ!清美が3年も一人で苦しんでいたのはお前が原因だ。お前の期待にこたえようと、お前に嫌われるのが怖いばっかりに、子供たちみんながどれだけ必死に努力して犠牲を払ってきたか。
「子供たちはお前の見栄のための道具じゃない!」
積もり積もった不満を爆発させた父の言に、みんな同じだった、三姉妹の誰も母から愛されてなんかいなかった、母にとって大事なのは自分自身だけなんだーーと衝撃の展開に口を挟むことも出来ず傍観する紗良。
思いがけず夫に責められて、母は子供のように泣き出します。
あんたたちに何がわかるの。娘時代に私が成績や容姿のことでどれだけ家族にバカにされてきたか、見下されて悔しかったか。優秀な兄たちのせいで両親に愛されず、どれだけ惨めな子供時代を過ごしてきたか。
だから子供の出来で勝負するしかないじゃない。やっと勝てたと、認められたと思ったのに!
紗良と全く同じ、親に愛されず、認めてもらいたい一心で表面を取り繕うことしか頭にない母の本音。夫であるお父さんも初めて知ることだったらしく、みんな呆然。
「だ…だったら子供の力をアテにするんじゃなくて自分でなにかを頑張ったらどうなんだ」←男がこの修羅場でいかにも言いそうな正論を吐くお父さん(笑)。
当然お母さんさらに激昂。
「私に なんのとりえがあるっていうのよ!」
特技も能力も何もない人間が上に行こうと思ったら、誰かの力をアテにするしかないじゃない、何が悪いのよーー!
駄々っ子のような言い分と取り乱し方に、娘たちは潮が引くように気持ちが冷めていきました。
「お母さんて……そんなカラッポな人だったの……⁉︎」
なんでも出来るすごい人だって尊敬して、だから厳しすぎる要求にも必死でこたえていたのに……私たちの努力はただ見栄のためだったの……?
次女で弁護士の綾も、青ざめた顔で淡々と深い絶望を語ります。
「バカみたい。私たちの(努力で達成してきたことの)ほうがずっとすごいじゃない」
母親って、自己申告で子供にとって万能の神みたいになることが可能ですよね。言葉、態度、まなざしで完璧な人間であると子供に刷り込むなんて簡単なこと。なぜなら子供自身がそう望んでいるところがあるから。うちのお母さんは世界一だって。
愛しているから愛されることを望むし、愛しているから愛されないことで人生がめちゃくちゃになってしまう。
先に席を立ったのは子供たちの方でした。もういい。娘だと思ってくれなくていい。こっちから切る。
この恩知らず!誰のおかげでここまで……!
結婚も失敗だった、もっと甲斐性のある男だったらこんな苦労せずに済んだ!
あくまで自分の非を認めようとしない妻に、お父さんも匙を投げます。
「お前の依存症にはもううんざりだ。わしとの結婚が失敗ならどこへでもいけ」
“悔しい”ではなく、ただひたすら“悲しい”ね……と意気消沈する三姉妹。
友情や恋、遊びや息抜き、趣味、進路、姉妹の情や家庭の安らぎ、自分がしたいことでなく母の意に添うために費やして来た時間、通り過ぎてもう2度と取り戻せない青春の日々……「私たちの人生って、なんだったのかしらねーー」
紗良、今まで長いことごめんね。
急激な変化に頭がついていかない紗良に、姉たちは謝罪し、子供時代のマインドコントロール、母の愛という強烈な呪縛が解けたことを告げます。……

場面変わって、東京近郊のスキー場で、真琴と紗良が一緒にスチール撮影のロケに来ています。
自販機の横のベンチに座って心ここに在らずの紗良を見かけた真琴、無言で目をそらす紗良に真琴から声をかけます。
もうこのまま芸能界から消えるの?なりふり構わず這い上がって来たのはなんだったの?自滅してくれるより、あんたを叩き潰したかった、これで勝ったって不完全燃焼だよ。
わざと挑発する真琴。
あんたに……信じてたものが偽物だとわかった時の、人生が無意味だったと気付いた時の呆然とする気持ちなんてわかんないわ。
思いがけない告白を受けて驚く真琴。
「わからないよ、わからないけどーー」
いやいや真琴さん、人生を賭けて信じて結婚した夫から手酷く裏切られたことあったでしょ。それを糧にしてここまで頑張ってきたんでしょ。わかんなくないやん、というのは置いといて。
でも今のあんたがあるのはそのおかげなんじゃない?必要だったんじゃない?一時の気分で全部台無しにしていいの?(@パーフェクトワールド)と紗良を励まします。超お人好し!
そう言われて紗良は気付きます。全てを人のせいにして流されるだけなら、私もお母さんと同じでカラッポの人間だ。誰が私を裏切っても、積み重ねてきた努力だけは裏切らないはずだ!と。
その後先陣を切って「雪とたわむれる妖精」というコンセプトの撮影に臨んだ紗良は、モデルとして地力ある見事な表現で周囲を感嘆させ、一気に復活を印象付けます。その影響で他のモデルも発奮し、息をぴったりと合わせ、高揚した雰囲気の中で撮影は大成功。現場をコントロールしたのは明らかに紗良の力でした。
「あんたやっぱすごいよ」
という真琴の手放しの賞賛を受け(お人好し!)、紗良は真琴に頭を下げます。
真琴さん、一度だけ、チャンスをもらえない?やっぱりチャレンジしたい、モデルとしてあなたとパリコレを賭けて競いたいのーー。
ごめんなさい、お願いしますと一応人として真っ当な手順で真琴に頼み込む紗良。(しかしこんな人前で頭下げられたら真琴ほどお人好しでなくても断れないじゃん、どうなのよ、と思わないでもない)
「しゃーない。戦おう」
ともちろん真琴は笑顔でそういっちゃうわけです。
華やかな頂上決戦が再び!ということで現場は沸き立ちます。
「負けないわ」と青空を背に微笑む二人はどちらも自信に満ちていて、晴れやかな表情です。
真琴を取り巻く人々も、真琴らしい選択だと納得して、「クロンヌ」の二次審査が決定します。

さて、娘たちから一斉に反旗を翻された母は……一番御し易いと見てでしょうか?紗良に擦り寄ってきてました。
お姉ちゃんのことではつらい思いばかりしたから(あなたの周囲がね!)、紗良にパリに連れて行ってもらうのが唯一の救いだわ。ホント、恥ずかしくて外も歩けないわ。
あれだけ本音をぶつけ合ったのに、何も変わらない母がリアル!
でも紗良は変わりました。母の実像を受け入れたのです。
お母さんも苦しかったのね。愛されたくて必死だったのね。私のようにーー。
大き過ぎる虚像に苦しめられて来た紗良、等身大の母を認めることで、自分の人生を歩み始めます。
「人の力をアテにしたって幸せにはなれない。自分を幸せに出来るのは自分だけなのよ」
オーディションに落ちてもいいの。正々堂々と自分の力で人生を切り開くことが喜びなのよ。子供だった自分に別れを告げよう。ただ一つ、努力を惜しまない自分に育ててくれたことにだけはお礼を言うわ。「ありがとう」
誰に認められなくても、自分で自分を認めて生きて行く。
オーディションは10日後、今度こそ本当の実力での勝負!

……いや、ものすごく盛り上がっていい話でしたよ?でもなんていうか……紗良はそれでいいかも知れないけど、今まで八つ当たり的に潰された茜子とか、悲惨な最期を遂げた美鈴とか、利用してポイ捨てした元夫とか、数々の悪行が母の支配からの卒業で全部チャラなの?そ、それは納得いかない……なんだか最後爽やかすぎて違和感がハンパないですよ。
もう一つ、紗良が自己を確立するまでの過程を丁寧かつドラマチックに描きすぎたせいで、真琴の存在感が薄い!いやでも、真琴が乗り越えるべき最大にして最後の障壁が紗良なわけだからこれでいいのかな〜?
今月号すごい濃い内容でした。8月号に続く!もう終わりが見えて来てるのが寂しいです。

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