「フラワーズ」2015年 6月号 感想 その1 とりかえ・ばや 田村由美読切

「フラワーズ」2015年 6月号 感想 その1

[amazonjs asin=”B00TXHNDV4″ locale=”JP” title=”月刊flowers(フラワーズ) 2015年 06 月号 雑誌”]

田村由美先生3本立てということで、タイトルだけでなくそれぞれカットも入っていて、分かりやすいです。ファンの方はテンション上がりそう(^ ^)
紫陽花の配置もいいし、文字の色も調和してるし、何よりイラストがくっきりしてて華やかで綺麗です。今月号は読むとこなさそう……と、正直先月の予告を見た時は思ったんですが、意外と好印象でした。

以下ネタバレありの感想です。

「夏空狂騒(なつのそらはパズル)」

デザイン学校の男子二人組と憧れの先輩(黒髪ストレートロング)の三角関係を、人助けとかクリエイターの矜持とかで味付けした、読ませる作品でした。期待以上に面白かったです!タイプの違う少年どっちも良い感じで。
CHUーCHUーにゃんこさんを筆頭にサイトの常連さんのキャラ付けもさすがベテラン作家だ、と唸らせてくれました。
「美しいもの」……親御さんのやり切れない想いをこの最後のメッセージに持ってくることで、確かにみんなで共有した美しいものが、今は儚く消え去ったように見えて、でもそれがあるから強く生きていける……メッセージがストレートに伝わって来ました。
個々のエピソードも、まとまりも良く、高水準の読み切りでした。何より作者が楽しんで描いているのが伝わって来ましたね。筆が乗ってる感じが。

「死人の記」

短くてえげつなく悲しいお話でしたが、こちらも良かったです。
自分は多分マンガを読んでいると思います笑

「とりかえ・ばや」

のっけから右大臣家の三の姫とひと悶着あったのですが、いまだ女性の思考が掴みきれていない沙羅、出し抜かれてしまいました。座るのか……ってあせる沙羅が可愛いです。と、偉そうに言っても自分もこういう駆け引き大の苦手です!この場面、どうするのが正解なのかわからないです(>_<) 東宮は一度は睡蓮の尚侍と顔を合わせるのを拒絶しますが、重ねてお目通りを願い出ると、会ってはくれましたが……以前の闊達な面影はなく、花が萎んだようでした。そして目の前の睡蓮が、今は確かに女であることを直接触って確かめちゃったりもしちゃうんですが、そこは恋の力。それ以前から、梨壺に入って来た沙羅の立ち居振る舞いで、その人は自分の懐かしい睡蓮ではなく、別人であることをすでに見抜いていたのでした。 東宮に入れ替わりを打ち明けることが出来ずにいる間に、流星群が現れて、都の人々を恐れさせます。そして全ての災いは、役に立たない女東宮のせいと誹謗するものまで現れる始末です。 非常事態に危機感を抱いた吉野の君は彗星の出現を予測し、睡蓮と沙羅に、東宮の窮地を救う手立てを授けます。 それはなんと、東宮自ら大極殿に出向き、僧たちとともに写経するというものでした。 この時、警護を申し出た沙羅双樹の右大将であるところの睡蓮の声を聞き、姿を垣間見たことで、全てを悟った東宮は「興あり」と微笑んで、もとの天真爛漫さを取り戻すのでした。 睡蓮、東宮さまと再会出来た嬉しさで涙ぐんでいます。可愛いわ〜甘酸っぱいわ〜☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆沙羅がいまいち睡蓮たちの心の機微を分かってなさそうなところがまた、いいわ〜。顔は同じでも中身が違うことがしっかり描写されてて楽しいです。 続きが気になってうっかり現代語訳のサイトを見てしまったので、さいとう版睡蓮の一途さ純粋さには心が洗われる思いですよ! そして全てが吉野の君の思惑通り、首尾よく運んだ後、主上のお渡りがありました。 今の姿で初めて御前に控える沙羅はさすがに緊張でいっぱいですが、主上は全ての憂いが晴れたと大変なお喜びで、東宮の地位の安定を約束してくれるのでした。 上様はとってもすっきりしてて思わずため息がでるほどの美しさですし、緊張していつになくはにかんでいる沙羅も可愛い。睡蓮も凛々しさを増してきたし、また面白くなってきましたね! 今月は「AWAY」も最高に面白くて、長くなりそうなので、その2に続きます。

最新情報をチェックしよう!