最速ー!! 我慢できずにお昼休みに読んでしまいました(^◇^)
弓弦親王が! 幻覚が! そして銀覚が〜!! 思ってたより派手な展開でびっくりしました。
そして次号9月号はウテナ続編と2本立てでした。嬉しい!\(^o^)/
以下ネタバレありの感想です。
「とりかえ・ばや」episode60.魔
なんと60回!!もう五年も連載が続いているんですね。さいとう先生の画業35周年ということで、三省堂の池袋本店で原画展があるそうです!8月13〜20日。先生の原画きれいでしょうねえ……行ける方が羨ましいです。
あと最新の12巻も8月10日頃発売です。お知らせ多い。
表紙は幻覚。右大臣邸の雨がしとしと降る薄暗い廊下に立ってこちらを見ている姿が不気味……というよりは、本編を読んだせいか寄る辺ない子供のように寂しく見えます……。
右大臣家。部屋で一人、退屈なようなもの寂しいような雨の日を過ごしている右大臣ですが、ため息を一つ吐いて閉じていた目を開けた時、目の前に座っていたのは幻覚でした。
「幻覚殿!」
驚いて、わしは居眠りを? と不思議がる右大臣には答えず、幻覚は頭を下げます。
母御前の月命日の供養、「我が身の母のように」念入りに行いました。
ありがたい。幻覚殿は幼い時に父母を共に亡くされたとか。「お気の毒に……」そう言って右大臣は目頭を押さえます。
「危うく人買いに売り飛ばされるところでございました」
幻覚は淡々と語ります。男子とはいえ、その類い稀な美貌から陵辱を受けそうになった「すんでのところで徳の高い御坊様に助けられ、そのまま弟子に…」
銀覚は幻覚に神力がやどるかもしれぬと感じ取ったようです。
その大恩から幻覚は銀覚に心酔していて、「この世で只一人の父でもあり母でもあると」この縁は亡き父母の導きに違いないと……。いきなりものすごい重い過去が出てきて戸惑いますが、まあそういうことなら納得ではある。利害で結び付いている仲ではないので、かなり厄介な相手といえます。
「まこと…有難きは親の愛」
この右大臣家でも色々ありましたので、我が身に置き換えて感じ入ったのか、溢れ出る涙を指で拭う右大臣。
幻覚は微笑んで、その恩人のためならば、私は命も惜しくありません。「どんなことでもこの幻覚、やってのけましょう」と宣言します。
なんと、子供のように純粋な男ではないですか。狂信者です。恐ろしい……。
そして承香殿では、女房たちが揃って弓弦親王をお出迎えします。
その同じ頃、なんと睡蓮と吉野の宮が連れ立って参内して、宮中の各所を回っています。人々の相談に乗る宮を面白く思わない連中が噂します。
吉野の宮は何か計り事を?
ご自分の支持者を増やすつもりか?
清涼殿ではいまだ寝付いておられる主上に、御前で仕事を進めている蔵人が困ったものです、とこのことを注進します。
「宮にはこの宮中の祓えをお願いしているのだ」
と主上も険しい顔。「内裏にはすでに魔が入り込んでいる」
今回場面展開が目まぐるしい。ページをめくるのがドキドキしますヽ(´o`;
再び承香殿!
御簾ごしに相まみえる沙羅と弓弦。
「我が左大臣家でくつろがれているとか…うれしいお話ばかり聞き及んでおります」
沙羅は「姉」の顔ですが、うつむいている弓弦の目は虚ろで、刀の柄を手にしているのが見えます! まさか…!? 沙羅が危ない!
ところが、例の主上からお預かりしている軍荼利明王の水晶、御簾の向う側の沙羅のそばにこれがあるために、弓弦は近付くことが出来ません。
何やら苦しげな様子の弓弦を気にして沙羅が声をかけますが、弓弦は尚侍への見舞いの品を局に忘れてました、取りに行ってきますと席を立ちます。この時十良子が私が代わりに……と申し出たのを無視した弓弦を、その場の一同は何やら様子がおかしいと思い始めます。
廊下で式部卿の宮が、後ろから来た弓弦にぶつかられ声をかけますが、振り返りもせずに行ってしまったのを不審に思われます。
弓弦の戻りが遅いため、十良子が様子を見に行こうとしたところ、式部卿の宮が局に来られます。
先ほど弓弦さまに会ったが様子がおかしかった。ご病気では? 目の焦点が合わない感じで……。
式部卿の宮にズバッと言われたことで、沙羅も薄々感じていた違和感が集約して、危険が迫っていることに気付きます。
「式部卿の宮さま、弓弦さまはどちらへ」
「日御門のおわす方角」
式部卿の宮の簡潔な答えに、沙羅は駆け出します!
しとしとと降り続く雨。横たわってはいるものの、目を開けて天井を眺め考え事の主上。居眠りをしている警護の者たち……静けさの中で、不意にガタンと物音が。
すかさず起き出して、几帳越しに辺りの気配を伺う主上。虚ろな目の弓弦が歩いて来たと思うと刀を抜き、足で几帳を倒しました。主上の反撃を封じ身動きを取れなくするつもりだったようですが、主上は実際には背後にいて、「誰れかある」と大声で呼ばわります。
焦る弓弦ですが、主上の呼ばわりに応える声はありません。そのまま丸腰の主上に斬りかかります!
「血迷うたか…」
主上は眉をひそめ、布を使って刃先を受けます。ためらいもなく襲いかかってくる鬼のような形相……普段の面影のかけらもないその姿に、
「まこと、弓弦親王であるか?」と問いかけます。
「…まこ…とじゃ」
苦しげに呟いた弓弦は、次の瞬間感情を爆発させます。
「押さえつけられていた 思いこそまことじゃ!」
周りの都合であちらこちらと追いやられ、期待しては裏切られる、利用されて捨てられて、何一つ思い通りにならないーー
「怒りの心ぞ!」
ああ……大変なことに……。ゆづー!!