「フラワーズ」2016年1月号 感想 とりかえ・ばや

「フラワーズ」2016年1月号  感想  とりかえ・ばや


「フラワーズ」の感想を書き始めてからついに一年が経ちました。
今月の表紙は「7SEEDS」。これと「とりかえ」が2016年中に最終回を迎えたら、他に読みたいものがない……。西先生と萩尾先生がまた連載してくれたらいいんですが。
今月の「とりかえ」、事前にさいとう先生がご自身のブログで萌え情報を出して下さっていたんですが、予告通り萌えました!

以下、ネタバレありの感想です。

「とりかえ・ばや」episode41.波紋

表紙は色っぽい睡蓮。
「この世で最も愛しい女(ひと)にただ一目逢いたいだけ」というコピー付き。
東宮の寝所に狼藉者が!しかもそれが沙羅双樹の右大将ということで、朱雀院内は大混乱です。
ただ、朱雀院様は激怒というわけではなく、多分こんな大事になってしまったことにお困りの様子で、睡蓮をきつくお咎めになるわけではないのが救いです。
何故と問われた睡蓮、覚悟を決めて、東宮さまのお見舞いに来たことを明かしますが、闇に紛れて忍び込もうとしたことへの申し開きはさすがに言葉に詰まってしまいます。
恋心ゆえが許される立場でもなく、二度目のゆゆしき事態とあって、三の姫が責任を追及する中、ついに東宮さまご自身が現れます。
「わしが呼んだのじゃ!」
大好きな尚侍と三人で楽しく語らえば気も晴れるかと、ほんの悪戯心で密かに来てもらうように頼んだのだ。右大将はたっての願いを聞き入れてくれただけで、邪な心などない!
可愛らしくも凛々しく睡蓮をかばう東宮さま。
睡蓮は私の落ち度で申し訳ない……!と恐縮しきりですが、院は若い二人の気持ちを汲んでくれたのか、大人の対応でその場を収めてくれます。
まず東宮への見舞いの労をねぎらって、「時と訪ね方が適当では」ないと釘を刺し、帰京を促します。
そしてみなに箝口令を敷いて、この場はお開きに。
「東宮の評判に関わること。くれぐれも内密にするように」
後ろ髪を引かれる思いで邸を後にする睡蓮を、見送る東宮さまの目にも涙が。
結局一言も交わせず引き離される二人……私のせいだと、沙羅も後悔しきりです。
大変なことにならないだろうかーーという沙羅の懸念以上に事態は思わぬ方向へと波及して行きます。

まず宮中に戻った三の姫がお姉さまの梅壺の女御に呼び付けられます。早速嫌味を言われて、さすがの三の姫もこのお方は鬼門のようで、目が死んでます。
その場には父もいて、『東宮の寝所に右大将が忍び込もうとした』という噂の真偽を問われます。
「(そのようなこと)ございません、決して」
強く否定する三の姫ですが、(同じく全てをご存知の)麗景殿の女御さまに朱雀院でお会いした時もやはり困った顔で否定された!噂通りなのだな!と逆に確信を持たれてしまいます。
「人の口に戸はたてられぬもの」すでに都中の噂になっているようです。
兄の右大将は東宮を、妹の尚侍は主上を籠絡しようなどと、左大臣家のお子たちは大それたこと!と、梅壺さまは二人ともが大っ嫌いなので、ここぞとばかりに悪意をむき出しにします。
父も頭を下げて復縁させた四の姫のこともこみでブチ切れてます。
世間の無責任な噂もすでに、左大臣家の一族の傑出した出世ぶりに及んで、帝にとってかわる野心があるのではと疑われ……もう大変なことになってしまいました!
(ちなみに、この場面の三の姫の衣装がとっても可愛いです)
三の姫も事態の拡がりに戸惑っていますが、噂は四の姫の耳にも入りました。
「背の君の心に決めた御方というのはーー東宮さま?」
思ってもみなかった事実を突き付けられて青ざめる四の姫。
では夫の罪は……、
「宮中で東宮さまの寝所に押し入った者どもは流刑になっております。噂がまことであればあるいは……」
四の姫はそんなに取り乱した様子ではないんですが、もう嫉妬とかを越える睡蓮の進退の話になって来てしまって、みんな涙を流して悲しんでいます。

当の左大臣家では、睡蓮が父に本心を打ち明けます。
女のなりで東宮さまにお仕えしていた頃……あの方は幼いながらも自分の弱さと戦って、いつも毅然と頭を上げていた。私と同じ内気な心を持ちながら、私とはまるで違っていて、あんなふうに生きたいと勇気を頂いた。
私の愛と献身は、生涯東宮さまただお一人のものなのです!
睡蓮、言い切りました。将来的には四の姫と別れるっていう気持ちに変わりはないんですね。
しかし今さら愛だけではどうにもならない事態になってます。このことは主上の耳にも達していると父に言われ、睡蓮も覚悟を決める時が来たようです。

この一件以来、またしても思い煩う日々を送る東宮様の元に沙羅が来て、外出の許可を求めます。「睡蓮」と二人で帝にお会い出来るようお願いに行ってきます、と。
軽はずみなことをして、ここまで大きな問題になってしまった。自分に出来ることはもう何もない。
「うむ……しっかりな」
責任を引き受けることを決めた沙羅を、そんなふうに東宮様は送り出すのでした。

清涼殿にて執務中の主上の許可を待つ間、沙羅と睡蓮は並んで、しんしんと降り積もる雪を眺めます。
どんな罰でも私は受けるよ。
一途にそう言う沙羅の横顔が前よりも美しくなったと、睡蓮は感じます。
罰とはどんなものだろう。
「しのごの言わず『入内せよ』と仰せになったら、沙羅はどうする?」
沙羅はものも言えず頬を染めますが、そこへ主上がまずは尚侍お一人に会われますとの使いが来ます。
奥へ通された沙羅は上様と二人きり!
涼やかな笑みで、上様は火鉢の側へ寄るよう、沙羅を促します。ここのところすっごく絵が綺麗なんです!もう神々しいまでの美しさ!ε-(´∀`)もとい、暖かいお言葉をかけて頂いて、沙羅はひれ伏して不調法をお詫びします。
「私が案ずるのは、昔から通じていたのかということだ」
「お二人は……今でも清らかな間柄です」
二人を会わせようと、私が愚かな計り事をいたしました。
あっけにとられた上様は、ひたすらに詫び言を述べる沙羅に声を荒げます。
「不束者がっ……」
東宮をお守りするよう言ったのに、その立場を危うくするなど尚侍の役目を何だと思っているのか。
右大将を許してしまえば、今度は関白左大臣が矢面に立たされるのだ。
(父上ばかりか主上までがひいきが過ぎると誹りをうけるのだ。私の考えがたりなかったせいで……)
「申しわけございませぬ!」
頭を下げ続ける沙羅に、上様はため息をついて言います。
右大将は少年の時分から、二心なく院や私に仕えてくれた。それが縁組の不幸から、人が変わったようになった。
「あの満開の桜のような、誰もが愛して止まぬ輝かしさを失ってしまった」(←結構ひどいこと言ってます。睡蓮を微妙にけなしてますが、沙羅は大歓喜。昔の私を懐かしんで褒めてくれた!上様、私ここ!って(^^;;いやいいんですけどね〜)
昔と寸分たがわぬ思いで私がここにお仕えしております、と感極まって扇の陰で忍び泣く沙羅。
それを兄の身を案ずる涙ととらえ、上様は一歩踏み出します。
私とて右大将を失うのは惜しい、助けたいのだーー
そう言って上様は袖の中に沙羅を抱き込みます。上様の手が沙羅の肩に触れ、沙羅は扇で顔を覆ったまま上様の胸に抱き寄せられることに。
「許せ。きついことを申した。
なぜなのかそなたには思ったままをぶつけてしまう」
沙羅はもう真っ赤で言葉も覚束ないほど!
でも上様もちょっと頬を染めちゃってます。許せって!何それ萌える!沙羅が悪いんだから至極真っ当なことを言っただけなのに、謝っちゃってる!甘えてる!大好物!
うわ〜萌えた!
沙羅もいっぱいいっぱいで限界を訴えたので、上様は許してくれました(笑)。
次は右大将が呼ばれます。
沙羅と入れ替わりに入室した睡蓮、勇気を振り絞って自ら遠流を願い出ます。上様、東宮さま、そして左大臣家のために。それが睡蓮の選んだ男としてのけじめでした。
しかし上様の返答は、さらに苛烈なものでした。
「そなたは自ら官位を返上し、無官の者となって都を離れしばらく蟄居せよ。
政治的に死ぬのだ」
帝の地位をもってしても、すべての不満の声を抑えることは出来ない。
世間が納得するまで……1年か十年かはたまたそれ以上か……、
「私が必ずそなたを都によび戻す。そなたの人生はすべてそれからだ」
睡蓮を諭す上様……超男前!沙羅といた時の甘くてちょっと少年のような、多分素に近い顔とは完全に別物!沙羅は男として女として、実に主上の両方の顔を見たことになるんですよね!もう、萌え死にしそう!なんて素敵☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
話を終えて出て来た睡蓮と沙羅は、安堵と悲しみの入り混じった涙の抱擁を交わし、別れ行きます。
父・母・十良子を始め、たくさんの人に別れを惜しまれながら、睡蓮は馬と数人の従者を連れて、最後に深々と一礼すると、懐かしいわが家を後にします。
右大将が夜明け前に旅立ったと聞いて、そうか……と主上は言葉少なです。
四の姫は姫たちとともに、朝な夕なに無事を祈ります。
三の姫は、自分の出すぎた行いが二人の間を裂いてしまったのではないかと、後悔の念に苛まれます。
そして東宮さまは。
「わしは天命が また まわってくるのを待つ」
悲しいさみしいと嘆くのはもう止めて、微笑んで再び会える日が来ると信じて待つ。
睡蓮の愛した、自分の弱さと戦い続ける毅然とした姿がそこにはありました。

8巻が12月10日昨日発売で、2月号は28日頃。予告ページには「身一つで都を離れる睡蓮の運命は?」となってますが、ほんとにどうなるんでしょう?急に何年か飛んだりして睡蓮が戻って来るかも?でもそうしたらせっかくの主上と沙羅の進展が……と先が読めない!今月は主上にめっちゃ萌えたのでいいとして(?)、今後の展開はどうなるんでしょう。楽しみ怖いですね。

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