「銀のスプーン」第68話
もっと長く引っ張るかな?と思っていたのですが、てっちゃんの問題に答えが出ました。
以下ネタバレありの感想です。
日曜日、ついに真也がルカと一緒に早川家を訪れました。直前まで不安がる真也を、ルカが励まします。僕がついてるよと。
出迎えたカナは真也の美しさに感嘆します。
真也も丁寧に挨拶と今までの謝意を述べます。
早川のお母さんはいつも通りの気さくさで真也を受け入れます。お母さん、いつもほんと素敵だな〜(*^_^*)
真也も初めて会った気がしない、ほんとにいい人、と絶賛してました。
今回の料理はバーベキューで、流行りの冷凍卵が出てました。
庭にテーブルと椅子を出して、母親同士はワインを酌み交わし、子どもたちはいつも通りの仲良しで賑やかに、空は上天気で、まさに絵に描いたような幸福な日曜日。
これからてっちゃんも呼んだら?と盛り上がるみんなに、頬を染めて、
売れてはないけど芸人をやってまして、今日も仕事なんです。
と真也は嬉しそうに答えます。
この幸せの絶頂感、ジェットコースターがてっぺんに到達した恐怖感と裏腹で、読み進めるのが怖くなります。
場面は変わって、てっちゃんの子どもを妊娠した文名さんとお友達の会話が挟まります。文名さんは幼い頃に両親を亡くしているため、母親というものに強い憧れがあり、たとえ父親はいなくても、子どもを産み育てることを絶対に成し遂げたいという強い意志があるようです。
一方ルカを寝かしつける真也は、あれだけ不安に思っていたことが嘘のように、
「また行きたいな、早川さんち」
と穏やかに語り、ルカは幸福の内に眠りにつきます。
そこへ夜中の訪問者がチャイムを鳴らします。
合鍵を持っているにもかかわらず、大事な話があると神妙な顔付きで……。
てっちゃんは土下座します。
子供がいるんだ、ごめん、全部俺が悪いんだ。
真也は男を追い出します。ルカは寝床で母の押し殺した泣き声を耳にします。
……てっちゃん最低ですね。しかも翌日自分の荷物を取りに来た時、学校帰りのルカと鉢合わせて、俺の代わりにママを守ってくれとか言ってるんですよ。なんというクズっぷり!
思い出のスタンプラリーの台紙に突っ伏して、ひとりぼっちで泣いていたルカ。
日が暮れて、仕事を終えて帰って来たママは、ピザを買って来てくれました。何もなかったみたいに、失くしたものには一言も触れずに。
てっちゃんが泣きながら去ってしまってからの3ページ、真也がいつもと変わらない様子なのが、すごい迫力を持ってせまってきます。前に男と別れた時はかなり荒れていたのに比べて、仕事も行ってるし、食事を用意して、ルカの面倒も見てるし……。
ママの借りてきたDVDがなんだかこわいよ、というルカに、真也は答えます。
「大丈夫、ぜんぶつくりものよ」
これで本当に終わりなんでしょうか。てっちゃんの出した答えは他にどうしようもないし、芸人も辞め、ケジメをつけたとは言え、あんなに幸せそうだったのに。
そして律はどうするんだろう……。
TVドラマ中につき?来月も掲載です。
前半の明るさと中盤の絶望との落差、そして最後の奇妙な明るさの凄みに感心しました。予想を裏切る展開の連続で、特に今回は読後感が良かったとは言えないですが……でも面白いです。
ちなみにドラマは初回を見逃してから、一回も見てません(^◇^;)
9月号の感想はこちら