大きな字で「海街diary」と、イラスト付きで「ポーの一族」。この二作を目当てにこの号だけ買う方もいそうですね。
以下ネタバレありの感想です。
「フラワーズ」2017年4月号
「春の夢」萩尾望都
今回の扉絵も素敵。古き良き少女まんがそのもの!
アランがいるから村に帰れないとは。新事実が色々判明。
「ひとりじゃなく、アランとふたりだよ」と主張するエドガー。そしてみんなは老化するのに2人はしないの……?
ファルカの超常能力に驚くエドガーが新鮮。
wikiによるとニシコクマルカラスは日本にはいなくてヨーロッパ全域にいる。ウクライナ語でハールカ。……つがいは群れの中にあっても一緒に行動する。
子供が喋ったことによって妻の態度が一変する。萩尾先生はどうしてこんなに心理描写が上手いのかしら……。体験しなきゃ本当にはわからないでしょ?というようなことが圧倒的リアリティでしかもさりげなく描かれているんですよね……ほんと少女漫画の神!800年生きても心の傷が癒えないなんて……まるで昨日のことのように激昂するファルカ……。
金髪の元気なアラン!かーわーいーいー!ちょこちょこ嫉妬出してくるの最の高。
そして「致死性家族性不眠症」。ほんとに萩尾先生の興味の範囲の広さ、それが繋がって物語になる脳の働きはすごいです
3度目に現れた男。病気に半信半疑なザブリナは非難しますが、この状況でこの誘惑を退けられる人間がこの世にいるでしょうか?
「バルバラ異界」の雰囲気に近付いて来ましたね。でも青葉は眠ったまま衰弱してしまった……面白すぎて毎号読めることが信じられませんが、ちゃんと次号に続くです!
「グレさんぽ」グレゴリ青山
銭湯のお話。そう言えば今までにも何度かありましたね。先生は本当に銭湯がお好きなんですね。
「月影ベイベ」小玉ユキ
母の形見の鈴を落としてしまってショックを受ける蛍子に、お前の悲しむ顔を見たくないから川までもどこまでも探しに行くと宣言して実際行動に移そうとする光に、ついに蛍子が告白。
鈴は失くしてしまったけど大丈夫。
「光がそばにいてくれればそれでいいの」
お互い顔を赤く染めて、
「蛍子がかわいいから」の流れ、ちょーーー萌えた!なんすか「だら」て!方言さいこうか!あーこの二人、この先ずっとこの場所で愛を育んで行くんだね……台詞もモノローグもない、絵だけで魅せる9ページは圧巻ですね!
この物語の主役は八尾でありおわらだった……と月並みなことを言いたくなる美しいクライマックスでした。
「7SEEDS」田村由美
犬がかしこくてえらい。
「好きな人にびくついていたら対等に見てもらえない」確かに。同性同士でもそうですね……。
「ボクんちの幽霊」笠原千鶴
絵も可愛いし、話もまとまっていて、季節的にもちょうどよかったです。「初恋の世界」が作者急病で休載、となってたので代原でしょうか?
「マロニエ王国の七人の騎士」岩本ナオ
巻中カラー。夕景が童話の一場面のよう。岩本先生のカラー、上手いっていうのとは違うかもしれませんが、色がきれいで好きです。
今回はシリアス展開が入ってきて話が複雑になってきました。「金の国」もそんな感じでしたね、デジャブ。
アナマリー様、ふくよかで素敵。キャラがめちゃめちゃ多いので、結構長いお話なんでしょうか。この3話はつなぎの回といった感じなんですが、サブタイトルが「エレオノーラ」なので、彼女は見た感じより複雑な女性なのかな?
次回は一号飛んで6月号ですね。
「猫山さん」新井理恵
不覚にもいい話……って思ってしまったw 母の愛、深いw
今回の「私的偏愛読書生活」は久世番子先生でした!
太宰の「富嶽百景」を個人的に(わら半紙に)コミカライズしたものが初めて書き上げたまんがって!面白すぎる〜(≧∇≦)
そして「女生徒」!読みたくなって、「走れメロス」の文庫買ってきちゃいました。
「おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。」
このラストの二行、今でも空で言えます。お母さんに「クオレ」を読んであげるんですよね。
そして大島弓子先生のサバシリーズ。3月号で山崎ナオコーラさんもグーグーを上げていたので、創作人に訴える何かがあるんですね、やっぱり。
5月号は「風光る」連載20周年記念号。20年……。「月影ベイベ」が最終回。大団円ですね。「7SEEDS」も残り3号かな。
今月号は前半部分の充実度が異常でした!