最終巻・9巻が3月13日発売。なんとスケジュール帳のついた特装版あり!15ヶ月使えるフリー手帳なので4月から使うもよし、来年分にするのもありですと……!なるほど。星野源さんのCDとかDVD付ければ良かったのに。
それにしても4年も連載してたんですね〜。最後にドラマで人気が出て、すごくいい形で終わりましたね。
以下ネタバレありの感想です。
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「逃げるは恥だが役に立つ」番外編[立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花]
巻頭カラーです。いつも行く本屋では後残り一冊になってました。番外編効果? ドラマやってるタラレバ効果?
百合ちゃんは現在54歳。たいていのことは乗り越えてきたつもりだけど、25歳年下の恋人が出来たのは自分でも想定外だった。
順調にデートを重ねて、別れ際にはマンションの下でおやすみのハグ。
気持ちが通じ合ったその日に「泊まりにいってもいい?」と言われて以来、彼は急かすようなことは言ってこない。
助かるけど、(いい年してもったいぶってると思われているんじゃないか)と不安。
でもこの年で初めてなの、なんて言えないし……。
ちょうど更年期外来に行ったので、産婦人科の先生に質問してみた。
50代で初めての性行為をする場合、問題点がありますか?と。
ここで訊かねばどこで訊く。清水の舞台から飛び降りるつもりで。
「大変よ」と、同年代か少し上くらいの先生はばっさり。
硬くなってるし、分泌液も出にくくなるから、挿入はなかなか難しいわ。潤滑剤を使うと少しはマシかも。緊張すると余計に硬くなるからリラックスも大事。
年齢的にも挿入にこだわらず違う方法で愛し合うことを考えて、無理にする必要はないんですよ。愛の交換はどちらかが我慢するものではないんですから。
と言われまして、そんなに大変なら一生しなくていいんだけど、風見さんはまだ若いんだから、そういう意味で彼に我慢を強いることになる?
恋愛は相手があることだから、自分の都合だけでは決められない、と真面目に悩む百合ちゃんです。
そしてなんとみくりに「初体験の時ってどうだった?」と聞いてしまい、姪っ子にする話じゃないかと反省。
色々聞いてビビっちゃって……と弁解と言うか弱音を吐露すると、みくりも真剣に受け止めてくれました。
「怖くてあたりまえだよ。年齢関係なくさ」
自分の気持ちと相手の気持ちをすり合わせできるかが大事なんであって「してもいいし、しなくてもいいんだよ」
百合ちゃんの正直な気持ち。ーーもう経験しなくてもいいやって思ってた。でも好きな相手に求められるって存外に嬉しかったの。
「あたし…こんな年でも…」
相手は50代ってわかってて百合ちゃんを好きになったんだから、堂々としてればいいんじゃない? 好きな人に卑下ばかりされると、自分と向き合ってくれてないって、悲しくて虚しくなっちゃうから。
「たとえうまくいかなくてもいいじゃん」
相手にも正直に気持ち伝えればーー
「いや、これはあたしの問題であって、それを相手に背負わせるのはやっぱり筋が違うと思うの」
自分の問題なんだから、ありとあらゆる下準備をして万全の体制で臨むわ! と意気込む百合ちゃん。
なんでここ、みくりとこんな話させたんだろう? 番外編に主人公を出す配慮? 普通に百合ちゃんのお友達とで良かったのでは……。風見さんより年下の姪とする話ではないかな、やはり。
そしてついに、次の週末泊まりに来ない?と誘えました。
とってもとーっても嬉しそうな風見さん。この顔を見たらなんでも出来る!とさらに追い込みをかける百合ちゃん、アスリート並みのストイックさで!
アクアパッツァでおもてなし。お酒とさくらんぼがお土産。楽しんでいるし楽しんでくれている。
「正直やっぱりまだ結婚ってしたいとは思わない」と29歳の風見さん。
「あまりに一人が長すぎて 他人の人生を背負うのが怖くもあるのよね…」
「そうは言いながらも誰かのぬくもりを心地いいとも思ってしまう」
結婚意識せずに付き合えるって楽ですね…って、正直な風見さん。この辺の男性の心理、よくわからないけどそうなんだー。
こんな話してる割にはやはり恋人同士だけあって、くっついて座ってたらいいムードに。別々にシャワーを浴びて、百合ちゃんは準備もばっちり。「久しぶり」という言い訳も用意して、いざ出陣!
「すみません、すみません…」
としきりに謝る風見さんに、「あたしのせいなの…」だから謝らないで。あたし初めてなの、と結局打ち明ける百合ちゃんです。
風見さんに自分が悪いんだと思ってほしくないから。
しんどいのはわかってたけど、あたし、風見くんと本当にしたかったの。二人で抱き合って幸せを感じたかったの。
そう打ち明けながら泣いてしまう、いじらしい百合ちゃん。
男だっていれたいばっかりじゃないですよ、幸せな気分を共有することの方が大事ですよと抱きしめられて、(戦場だったベッドが世界で一番リラックスできる場所に変わった)。
相手があることだってわかってたのに、どうして一人で戦おうとしてたんだろう。何と戦ってたんだろう、と世間体や自意識という呪いから解き放たれ、隣にいる風見さんと素直に向き合うことが出来ました。
少しでも長くそして楽しくこの関係を続けられるように、今この時を大事にしていきたいーーと思う百合ちゃんです。
朝までずっと触れ合っていたこの日、「実はあの日は人生で一番焦った」と後々まで風見さんは笑ってそう言うのでした。
うん、全体的にはよかったね…という感じですが、最後までなんとなく風見さんがそんなにいい男と思えないまま終わりましたー。百合ちゃんはいじらしくて可愛かったけど。色々赤裸々な表現は他では見ない感じで面白かったです!
最後まで色々考えさせてくれる、面白くて理屈っぽさの中にほどよいロマンティックさの詰まったまんがでした。
海野先生、お疲れ様でした。数々の萌えをありがとうございました。