「とりかえ・ばや」感想① フラワーズ2017年2月号

今月の表紙は岩本先生の「マロニエシリーズ」、そして巻頭(カラー)は我らが「とりかえ・ばや」でございます!
きゃー!カラーでお二人が結ばれているー!(あ、抱き合っているだけです。念のため)
「離れていた二つの星が 今、ひとつにーー」良かったね。
七夕コスプレのお二人、かわゆいわ♡
というテンションでお送りします! 以下ネタバレありの感想です。

「とりかえ・ばや」episode.54 二星会合〜七夕〜

睡蓮と東宮を足止めしていた雨がついに上がりました。
さっそく行方不明の東宮を探しに行こうとした吉野の宮たち一行は、連れ立って山を降りてきた睡蓮と東宮を目にします。
若さま、ようご無事で! と喜びに沸き立つ従者たち。みな涙を流して喜びあいますが……その中でもしっかりと繋がれた二人の手。
睡蓮を連れて戻ったこと、睡蓮が皆から慕われていること、睡蓮が自分の手を握って片時も離そうとしないこと……全てを誇らしく思っているような東宮の表情の絶妙さ、そしてそのことに一人だけ着目する吉野の宮……たまりません!なにこの演出の巧さ!
輿にちょこんと人形のように座って、右大将と共に芦屋に滞在したい! とわがままを言い出す東宮。せめて傷が癒える間だけでもという東宮を、さすがに三の姫も諌めます。東宮をおのきになってもお立場が……朱雀院へおいでくださいと懇願します。
そこへ吉野の宮も進言します。
「お二人で世捨て人になるおつもりでしょうか? 私のように。そのお覚悟がおありになるのか?」と。
淡々と事実を突きつけられて、返す言葉もなく黙り込む東宮。その手をぎゅっと握って、睡蓮は言います。
私は東宮さまが幸せになる生き方をしたい。
わしは……右大将に宮中に復帰して欲しい。周囲を顧みないのは本意ではない。
「立場は人としての務めじゃ」
闇の中で寄り添って生きるやり方もありますが、二人はやはり光の子なのです。
東宮は三の姫に付き添われて朱雀院へ、右大将は静養のため芦屋へと涙でしばしの別れをしたことを、主上に手紙をしたためて知らせる吉野の宮は満足そう。
最後に吉野の宮にぺこっと頭を下げる、泣き笑いの三の姫とはこれからどうなるのか気になりますが。

場面変わって久々の清涼殿。吉野の宮からの文を読んでいた主上が沙羅を呼びます。
ここの部分おしどり夫婦としか言いようがないw
ちょっときてごらん。
はい。
お前もこの文を読んでみなさい、驚くぞ。
まあ本当に!
みたいな。睡蓮が生きていると知って喜びの涙を流す沙羅以上に、その反応に嬉しそうな主上。あまーい表情。甘い……沙羅うらやましい!
さて銀覚の一件はきれいに片付いたように見えますが、弓弦親王の処遇は……?
式部卿の宮は親王の後見を外れる様子。それでは東宮への道は断たれたも同然、出家以外に道はあるまい……との噂が飛び交う中、浮かない顔の親王が連れて来られた先にはなんと、関白左大臣が!
親王の後見役を快く引き受けて頂き誠にありがたい!と頭を下げる宮。自分の意思などないままたらい回しにされているようですっかり気落ちした親王に、ひょっこり顔を出した沙羅が声をかけます。
束の間明るい笑顔を見せた親王ですが、恥ずかしそうにうなだれます。
良いのでしょうか? 私のような何の価値もない、役立たずの童がこのまま宮中にお世話になって……とすっかり自己評価が下がってしまっています。
沙羅はきっぱりと言い切ります。主上が左大臣家に預けるとお決めになったのです。弓弦さまは必要な方なのです。
「なにより私が弓弦さまを大好きです。お世話できるのがうれしくてなりません」
喜びの涙を流して微笑む親王。お母様が亡くなってから混じり気のない好意を示されたのはこれが初めてなんでしょうね……。平穏な人生を送って欲しいと願ってやみません。あ〜ここが丸く収まって本当に良かった!沙羅パパありがとう!
さて式部卿の宮がなぜ今回の謀り事に加担したのか。
関白左大臣にそれとなく問いただされて、宮が答えたのは、今上天皇を尊敬しているから。幼い頃から優秀なお方で、常にあの方の助けになりたいと思ってきた。政事には興味はないが、あの方に必要ならお助けし、そうでなければ私は引く、それまでのこと。
関白と宮の駆け引き・化かし合いみたいなの楽しいです。まさかここで沙羅パパが宮に釘をさすとは思わなかった(^ ^)
そして宮の複雑な心境も美味しいですね!ビーエルです、BL。一緒に育ってきた優秀な親族、どうしても勝てない、憧れてついには極めて尊く愛おしいと感じ、すべてから守って助けたいような、どん底まで落として苦渋にまみれた表情を見てみたいような、自分の奸計などかわしていつまでも誇り高くいて欲しいような、そんな愛憎入り混じった心境に……!ヤバイ(*’▽’*)この妄想もイケる!イケない方すみませんm(_ _)m

そして今夜は七夕の夜。一年一度。蔵人頭に雲行きを尋ね、雨かもしれませぬと言われてご機嫌斜めの沙羅。晴れた夜空でなければ……とすっかり乙女思考ですね! どうした沙羅!
主上と沙羅パパが歩きながら結局東宮をどうするか話し合っています。
今もし何かあれば先の東宮につなぎの女帝になって頂くしかないから、独身でいてもらわねば。次点が弓弦親王として、公の定めは保留にしておく、とのことです。今のところ。
「なにもかもうまくいくというわけにはいかぬ」と結局振り出しに戻った感じですが……。
「上様! 雲が晴れました!」
沙羅が嬉しそうに主上を迎えます。織姫と彦星が会えますね!と無邪気なもの。そう、今はこの沙羅が主上といるところが以前と決定的に違うところです。
「…うん」と、この素で! 沙羅の前で時々素の恋する青年が顔を出しちゃう瞬間がすごく好きです。
左大臣に娘と一緒に乞巧奠(七夕まつり)に出るように言い付ける主上の思惑は……?

ロマンチックな後半に続く!

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