9月号は巻頭カラーでした。たくさんの赤いバラを手に、マリエを着た真琴。しかし茜子からの突然の電話。浅野と茜子は以前付き合っていて、嫌い合って別れたのではないーーという伏線は今までに提示されていただけに、まさかここから元サヤ?まさか真琴も元夫と⁈ と言う緊迫の展開だったんですよね〜。
以下ネタバレありの感想です。
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「バラ色の聖戦」Stage.97 薔薇の涙
何このサブタイトル……不吉な予感。
一瞬で切れたし間違いかも……と、一応かけ直す浅野。
ごめん!間違えたの、と明るく笑う茜子ですが、浅野はすぐに様子がおかしいことに気付きます。本当は苦しい時の笑い方だ、何があった?
電話の向こうの茜子だけでなく、そばにいる真琴も、浅野の優しさをどう受け止めればいいのかわかりません。
その時ICUという言葉を聞き付けて、お母さんと病院にいるのか?と追求する浅野ですが、ホントに大丈夫だから、と茜子は電話を切ります。
何やってんのあたし、と自己嫌悪に陥る茜子。
決断を下したのは真琴でした。
まだ遊びたいという裕をなだめ、お母さんの友達が大変なの、とみんなで病院に向かいます。
病院に駆けつけた浅野を見て、
「うそ……ホントに来て……」
と一瞬喜びを溢れさせた茜子ですが、浅野の背後には真琴たち家族が……。一緒にレジャーに出かけていたところを邪魔したと知って、顔色を変えて謝ります。
そこへ叔母が、茜子の母がうわごとできな粉を欲しがっていると伝えに来て、茜子は病室へ。
お医者さんからも覚悟してくれって言われて、意識も朦朧としてるのに、お姉ちゃんは茜子ちゃんにきな粉ご飯を食べさせてあげたいのね。あの子のね、大好きな人との思い出の食べ物だから……って。それを食べてる茜子ちゃんがいつも幸せそうだから。どんな時も娘の幸せを一番に考えてきたのにね……。
親子の絆に切なくなる真琴。その時裕が言います。きな粉ご飯って、ずっと前おっちゃん家で食べたねーと。
そうだ……!浅野さんの子供の頃からの思い出の味。浅野さんの好きなご飯。それが茜子の「大好きな人との思い出の食べ物」ってーー!
そこへ思い至った真琴が見ると、浅野もすでにそのことには勘付いていたようで、激しく動揺する二人。
戻ってきた茜子は笑顔でした。こんな時に友達が来てくれてすごく嬉しかった。子供たちも一緒ってことは結婚も間近?オーディションも頑張って、真琴!
気丈に振る舞う茜子のプライドを踏みにじることも出来ず、帰りの車の中でも気まずい二人。
後部座席の子供たちが眠ってから、今回の出来事について考え、話し合う二人。
もう終わったことだと浅野は言いますが、ここにきてすべての符号が繋がって、茜子は浅野さんのために身を引いたんだ、今でもまだーーと衝撃を受ける真琴に、
「オレが好きなのは真琴だから」何も心配しなくていい、と告げる浅野。
けれど割り切れない思いの真琴です。
後日撮影の現場で会った茜子は顔色が悪く、明るく振舞っているものの気が休まらない様子でした。
今からまた病院、という茜子を、真琴は呼び止めて率直にたずねます。
本当はまだ浅野さんを好きなんだよね、この間の電話も本当に助けて欲しかったんだよね? と。
「だとしたらーーどうなの?」
別れるの? と聞き返されて、言葉もなく動揺する真琴。
それを見て茜子はふっと表情を緩めます。
別れる気ないんでしょ。愛されてることに自信持ちなさい!未練なんかないから。
そう豪快に笑い飛ばして、エレベーターに乗り込んだ茜子。扉が閉まる瞬間、鏡に映った茜子の泣き顔……。
私は今まで、知らなかったとはいえ、幸せをひけらかしてどれだけ茜子を傷付けてしまったんだろう。手放す気もないのに、本当はこれが欲しいんでしょう?なんて残酷なことをなぜ聞いたんだろう。
でもやっぱり自信が持てない。仕事をしながら完璧な妻にはなれない。バツ一で元夫との子供がいる。
(浅野さんと別れたくない)
でも茜子の方が浅野さんにふさわしいのでは……。
真琴傲慢ですね。気持ちはわからないではないけど。女の真琴から見ても茜子が素敵な女性だからこそこう思ってしまうのでしょうが……。
この問題はいったん保留で、ついに「クロンヌ」のオーディション。
大阪の上急百貨店でファッションショー!全面改装後のオープン記念のイベントで、一般客がふらっと立ち寄る類の開かれたショーです。これがうまく行けば「クロンヌ」は上急百貨店のテナントとして西日本に進出する大きなきっかけをつかめます。
知名度を全国に広げ、一部のセレブのみの現状から新たな顧客を獲得する大チャンスなのです。
真琴か紗良、どちらがより客を魅了し、売り上げに貢献出来たかで合否が決まる。
客を選ぶ「クロンヌ」の商品を、ただデパートに寄ってみただけの興味本位の客に買わせるところまで持っていくなんてーー!
難しいチャレンジだけどやるしかない!
「ワクワクするわ」と紗良もやる気十分。
絶対に譲らない強い意志を持って挑むしかない!
地元でショーとあって真琴の実家は大喜び。
ヨーコさんから受け取った新聞で敦もその広告を見つけます。
「VENUS」編集部も盛り上がります。
仕事終わらせて必ず見に行くと浅野も電話をくれました。
当日久々に顔を合わせた真琴と紗良は火花を散らします。今度は正々堂々とーー。
そこへ紗良のマネージャーが一本の電話を受けます。茜子と紗良は同じ事務所。茜子の母が亡くなった、という内容でした。
慌てて知人に連絡網をまわすまどか社長。
「そうだ、浅野くんにも……」
このことを知った浅野はどんな対応をするのか?
様々な思惑が交錯する回でした。ズバッと茜子に聞いてしまうのが、裏表のない真琴らしいんですが、茜子はかわいそうだったな〜。茜子がどんなに誇り高くても、何もかも持ってる相手から、すべてを失いかけてる時にあんなこと言われたらそりゃ泣くよね……っていう。浅野さんはどうするんでしょう?