さて今月で「ラブリラン」は無事完結。掲載順はショートを抜かすと後ろから二番目。海野つなみ先生が体調を崩されて「作画が間に合わ」なかったということで「逃げ恥」が休載、新人さんの代原が載っていたんですが、それがなければ多分一番後ろだったのかな?カラーはなく、32ページでした。
2巻は1月13日発売だそうです。
変なひねりとかなくて、きれいにまとまっていて、いい最終回でした。町田くん、最後まで萌えたよ!
というわけで、コミックス待ちの方は以下ネタバレありの感想なので、ご注意ください。
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「ラブリラン」♯10 Last run.
表紙はサヤカと町田くん。最終回はサブタイトルもシンプル。「応援ありがとうございました!!」と大きく入っているのが感無量ですねー。
前回明らかになった、サヤカが町田くんに宛てて書いた手紙の存在。町田くんに渡したのかさえも定かでないサヤカは、ダンボールに詰めた荷物の中を探しますが、見つかりません。そこへシロクマ引っ越し屋さんがやって来て、サヤカの荷物は運び出されます。
がらんとした部屋。
いい時も悪い時もあった二人のいろんな思い出がある部屋ですが、
(もうこの部屋で会うことはない)さやかはそう心に決めて、涙はなしに出て行きます。
町田くんの転勤話、最低でも2年は大阪に行ったきりになるようで、もう会社でも会えなくなるわけですが、サヤカは今では落ち着いて噂話も笑って聞き流せる……と言いたいところですが、なんとその話自体がなくなるかもという意外な情報が。
今の仕事に大幅な変更が出て、人員を減らすどころか増やしたいからと、まさかの転勤が白紙状態と聞いて、内心嬉しくてたまらないサヤカ。
町田くんがやりたがってた仕事だから喜んじゃだめなのに、頬が緩む。
やっぱりまだ好きだから……。
それが自分の本心だと気付いたサヤカはなんと!!
町田くんが転勤出来る方向に仕事を調整するよう動きます。
「付き合ってた時、町田くんの仕事の相談にのれなかった(のらなかった)。だから今は、わたしにできる事を」
独りよがりでなく、自分のしたいことではなく、本当に町田くんのためになることを。二度の別れを経て、ようやくサヤカは恋愛をしている自分じゃなく、相手に対してまっすぐに向き合えました。サヤカがぐっと年相応の大人の女性に見えます。
保留にしていた鷺沢の告白への返事、
「鷺沢くんと 残りの記憶と ちゃんと向き合って 前へ進もう
だから 忘れる
町田くんのことは忘れる」
鷺沢との待ち合わせに現れたサヤカ、以前のおどおどした感じがなくなっています。好かれなくても嫌われたくない、負けるくらいなら勝負しない、変化を恐れて眠り続けていたお姫様はもういません。見た目だけでなく中身も大人になった一人の女性がいるだけです。
サヤカの横顔が綺麗で、内面が変化したことが表情で描きわけられてて感動です!連載を追いかけて読む喜びを感じますね〜。
一方、ついに辞令が出た町田くん。念願かなって……のはずが、どうにも浮かない顔です。辞令がギリギリだったため、この日が最後の出社日だったんですが、サヤカは上記の通り得意先から直帰で鷺沢と「デート」。
休憩スペースで缶コーヒーを買う町田くん、テンションの低さを元カノに突っ込まれます。
「気になる?『南さんのデート』」
別に。おれら完全に終わってるし。クールに答える町田くんを、
「だっさ」と小笠原さんはばっさり。
このお二方、2年前同じように小笠原さんの方が大阪に転勤になった時、お互いに遠距離恋愛のリスクを取る気がなかったことから、傷つけ合う前に別れてしまった過去があります。それは双方納得の上だったけれど、今回は違うんじゃないの?と小笠原さんはぐいぐい核心に迫ります。
ジュンヤから南さんを助けた時、必死だったよね?かっこつけてクールにふるまってるのは、びびってるだけだよね?ケンカしたり傷つけたり、相手と自分をコントロール出来なくて、みっともないところをさらけ出したあげく、もう一回別れるなんてことになったら立ち直れないんでしょ。
「2度目は翔平が変えればいいのに」
片手で別れた男のネクタイをひっつかんで振り向かせた挙句のこの決め台詞!
面倒見のいいひとです。もうちょっと小笠原さんの出番が今までにあったらもっと良かったのに。
小笠原さんにとって町田くんとの付き合いは「1度目で十分」だそうで、純粋に背中を押してくれただけのようです。転勤の件でサヤカが町田くんのためにかなり尽力したことも教えていってくれました。
当のサヤカはというと、鷺沢くんに会ってお断りを伝えました。
長年の想いにケリを付け、さらに町田くんへの恋心を清算するためにもと、ホテルであったことを全て教えて欲しい……とサヤカは頼みます。
短い沈黙を挟んで鷺沢は、納得出来ないな、おれでいいじゃんとサヤカを押し倒します!
「やめっ わたしやっぱりーー……」
鷺沢を拒んだサヤカがとっさに口にした言葉の、後を鷺沢が引き取ります。
「『やっぱり町田くんが好き』?」
サヤカは全てを思い出します!あの夜、まったく同じことがあったことを!!
ま〜わかってましたけどね!引っ張るからにはキス以上の何もなかったんだろーなーってことは。でもやはりここがクライマックス!他人に指摘されるまで、本心を隠していた、でも隠しきれていなかった似た者同士の二人。どうする、まだ間に合う?同じ人を、もう一回好きになったのに!
「こんなとこで迷ってないで さっさと行けば?」
ダメ元で試してみたけど、速攻で記憶戻ったな。ほんっとにもうおれじゃダメなわけね。自分の狡さも告白して、サヤカの背中も押したから、
「……ちょっとはカッコついたか?」
そう独りごちる鷺沢。うん、最後はなかなかカッコ良かったです。
ヒールでダッシュして、サヤカは東京駅へと向かいます。
2度目のチャンス、後悔したくない!ホームへと駆け上がったサヤカの横を、無情にも新幹線が通過して行きます。
息を切らしてうなだれるサヤカの腕を、背後から掴んだ人が。
振り向いたサヤカの目に映るのは、もちろん町田くんその人!!こちらも息を切らして。
なんで……と聞くサヤカに、アンタのせいだろ!と返す町田くんはすっかりいつも通りで微笑ましい。サヤカに返したいものがあったから探し回っていたと。
その途中で偶然鷺沢にあって全てを聞いた。ってなるのがページが足りないから仕方なく端折ったのかな?(^◇^;)って感じですが、一応サヤカの仕事先の近くで二人は会っていた設定なので、まあいいか……記憶が戻ったことはサヤカの口から聞いて欲しかったので少し残念ですが。
町田くんが返しそびれていたのは、別れ際にサヤカが書いた手紙でした。サヤカが渡したんじゃなく、記憶喪失後、たまたま見つけた町田くんが読んでしまって預かっていたというのが真相でした。
内容は日記のように、恋の始まりから終わりまでを綴った便箋5枚分の大作(!)で、付き合ったけどダメになったことが、これを読めばいかに記憶喪失状態といえど、さすがに自分にもわかっただろうに、なぜ見せてくれなかったの?
みなさま、ここから町田くんのターンです!
だってこれ見たら、始まる前に全部終わりになるだろ。
アンタは勝手におれを忘れたんだから、2度目のチャンスにおれが賭けてみたっていいだろ。
町田くんの想いに心打たれて、泣きながら素直に愛を告白するサヤカを、人目もはばからず抱きしめて、
「先に言うんじゃねーよ」
まぎれもなく年下!焦りすぎ、可愛すぎだよ!このページ、よくこんなに萌えを詰め込んだと感心してページをめくるとさらに!さらにですよ?すごくないですか?!
キスを求めてくる気配に、東京駅のホームですよ?と人目を気にして俯くサヤカに、
「うるせー 顔上げろって」
言いながら照れてるけどあくまで俺様。町田様。
わ〜こんな年も押し迫ってから、2015年言われたい言葉のトップに躍り出たわぁ*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「失敗して傷ついても何度でもやり直したい、あなたと」
モノローグで作品テーマが語られ、いやーほんと綺麗に終わりましたね!しかも激しく萌えるという素晴らしさ!
この後転勤先でのエピローグがあって、仲良く手を繋ぐふたりが見られます。
読後感がものすごく良かったです。楽しませていただきました。天沢アキ先生お疲れ様でした。町田くんという萌えをありがとうございました!
次回作のためにも2巻は必ず買いますね!