「海月と私」2巻 麻生みこと 感想

[amazonjs asin=”4063879674″ locale=”JP” title=”海月と私(2) (アフタヌーンKC)”]

麻生みことさんの「海月と私」2巻、講談社アフタヌーンKCの感想です。
good!アフタヌーンで連載。
表紙が一巻と同じテイストで、色がきれいで素敵です。題字の色、紫の方が見やすくていいですね。猫の色が違いますが別の子?
そして裏表紙は男子の大好物、「すそをちんまり」じゃないですか!目線も一巻と比べて……読む前から期待が膨らみます。

こちら内容はというと、寡黙で渋くて料理の腕が絶品の、中年(昔で言う初老?)のご主人が営む海沿いの宿「とびうお荘」に、素性不明の明るくて人あしらいの上手い、何でも出来る謎の美女が仲居として住み着いて、知らず知らず振り回されつつもまんざらではなく……という、一見男のロマン満載の作品です。
でも実は男の、というより女のロマンなんですかね(^^)うんと年上の素敵なおじ様。かくいう自分も大好きです。

2巻では主役二人の過去や人間関係がいろいろ伺い知れて、面白かった!
1巻ではイイ女過ぎて取っ付きにくかったヒロイン・仲居の梢ちゃんが、「やっぱめんどくさいわ同年代ー」と、旦那さんの前で愚痴をこぼしたり、お客様へのサプライズが不発に終わっちゃったり、娘がいるなんてきいてませんってぷんすかしたり、可愛かったです。
新たに出てきたのっとり疑惑で引っ張ってますが、最後の「殺す気か!」がうまく落ちてて面白かった~萌えました。続きが楽しみです。

第5話:隠れ家温泉紹介として、とびうお荘にテレビ取材が。普通だったら旦那さんが即お断りしそうですが、一巻からの流れでそこは自然にそういうことに。
傍若無人な取材ぶりに、結局旦那さんがブチ切れするという、予定調和な感じなんですが、書き方次第でほんと面白くなりますね!もう一組のお客様の人生の紆余曲折が、若い可愛い子ちゃんとの対比で、重みが感じられていいのです。お互い手酌でやってたのが、配偶者の述懐のあとは差しつ差されつとか……いい!
でもほんと、年取ると慣れたものが一番なんですよね。「古いけど清潔な和室」「使い込まれた道具」「オーソドックスで滋味深い和食」ああ~とびうお荘泊まりたい!梢ちゃんにサプライズされたい!

第6話:梢さんのお仕事ぶりとかお姉さんぶりとかが楽しかったー!
地元で絶大な権力を誇る温泉旅館「たけもと」グループの一人娘が、家出中にたまたまとびうお荘の前でスクーターの自損事故をおこしたのを匿って起きる一騒動。
「たけもと」のエピソードは麻生先生のりのりですよね。「路地恋話」のモノクロームのエピソードを思い出しました。面白い!
「将来婿になって旅館継げるか地盤継げる男じゃなきゃダメ」って、めちゃめちゃ重いし!
旦那さんと梢さんの萌えどころもいっぱいだし、家出娘りなちゃんも素直ないい子でした。「まだね」って二人が同じこと思ってるのがいい。りなちゃんは頑張って素敵な大人になってほしい。

第7話:離婚した元妻のもとで立派に育った旦那さんの娘が、結婚の挨拶に来ちゃいました。
いやいやほんと色々ありますね。「旦那さん男前だし」「お父さん女を見る目ないらしいし」旦那さんの過去が正直意外でした~。堅物そうなのに。
娘さんとこはお似合いのカップルですね。条件もある程度いるとは思うけど、結婚ってやっぱり、毎日顔つき合わせるわけだから、相性が大事なんだな……。
「子どもできたらしばらく働けない」期間が、父と娘で3年と半年で大幅にずれてるのがリアルでおかしい。

第8話:「男子とはバカな生き物ですね…」に尽きますね。笑えました。書き文字……!
東京から彼女連れで帰省する幼馴染に対抗したい、仕入先の魚屋の次男坊に頼み込まれて、梢さんが彼女のフリをするお話。
リクエスト通り、わかりやすいモテ系女子になった梢さん、光ってます!もちろん旦那さんにも効果ありありです!
東京には、(何でもありすぎて、何を選んでいいやら。選んじゃったら、もうほか選べなくなるのが恐ろしいやら)幼馴染の本音、実際はそんなに選ぶ余地のないことは薄々感づいているけれど、それでも夢を見させちゃう東京って恐ろしいなー。おばさんの私でも共感するくらいですから。これって東京が地元の人にはない感覚なんですかね?「NANA」でもハチの方が似たようなこと考えてたけど、やっぱり上京組だし。
でもほんと、男子でも女子でも主婦でも、見栄の張り合いで大事なものを蔑ろにしちゃう時ありますもんね。気をつけよ。
そして旦那さんがキュン死にしそうなオチが最高!!

3巻の感想はこちら

最新情報をチェックしよう!