「魔法使いの娘ニ非ズ」7巻(完結) 感想①

[amazonjs asin=”4403622399″ locale=”JP” title=”魔法使いの娘ニ非ズ (7) (ウィングス・コミックス)”] たくさんの方が過去の「非ズ」の記事を読んで下さって、根強い那州雪絵先生の人気が嬉しい! 2002年にスタートした前作(「娘」)から足掛け15年! ついに完結……愛着あるキャラクターともお別れ……と感動の中にも複雑な思いが去来する最終巻でした。
以下ネタバレありの感想です。
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「魔法使いの娘ニ非ズ」那州雪絵

どうして背景をオレンジで塗っちゃったんだろ〜?
表紙は初音・兵吾・パパ・無畏・操名でした。折り込みポスターは+Jr.さん。
そうかー…改めてこの6名が主要人物だったのね。操名も7巻活躍してたしなー…。うん、小八汰さんよりね……(つД`)ノ
1巻から並べて見ると、3巻の表紙が可愛かったですね。
今漁ってみて気付いたけど、ウイングスコミックスには装幀のクレジットがないので編集部でされてる? TONOさんの「ラビット」はお友達がされてるからクレジットがありますね…。でもよしなが先生の「フラワー」はなし。
余談ですが橋本みつるさんの百合コミックス「さらば友よ」の帯の推薦文が那州先生でした!
「橋本さんの描く少女は皆、足を得た人魚のようだ。いつか水に溶けて美しい泡になってしまいそうだ」
美しい文……(*^^*) 「花とゆめ」で同時期に作品を発表されていた繋がりでしょうか。どちらの先生の作風も大好きです。

最終話が掲載されたウイングス2017年2月号は小冊子付きでした。短編おまけまんがは今回のコミックス最終巻に全て収録されたので良かったです。
インタビューが8ページ。……なんと最終回を執筆前だったんですね。
・長い連載になったので、話の整合性のための読み返しなどが大変。
……やっぱりプロでもそうなんですね〜! 完全な単発の話を考える方が気楽だとか。
・陰陽師ものを書いてみたかった。
……でも流行ってる時には描きたくないというのが先生らしいw 担当さんから『元気な女の子を主人公に』とのリクエストに応えて初音が誕生。
・初音や無山がヒーローにならないように。
……妖怪を退治する話にしたくない。勧善懲悪じゃない方向で。
・キャラクターありき。
……なんで無山を父親にしようと思ったかは覚えてない。師匠と弟子でもよかったが、初音が何も知らない立場の方が面白いかと。→確かにそこから色んな葛藤が生まれてて面白かったですよね!
・元は読み切り。
……描いてるうちに話が広がった。初音はすごく使いやすい、描きやすいキャラ。無山は元は悪役。「いちばん身近なところにいちばんの敵がいるという構図は、私が昔から描きがち」ぶれないキャラなので描きやすかった。逆に小八汰は何でもアリで使いどころが難しかった。読者の人気に応えられず悩んだ。「兵吾は、私がいちばん好きなタイプのキャラなので、もっとも描きやすかった」貴重なツッコミとしても活躍。
・全体の構成
……2巻の無畏が出てきたあたりで固まった(「結構早い時期ですね」とあって驚き!だって一話目の兵吾と初音のやり取りがクライマックスを経てきれいに収まってあのラストだったのに!先生すごいな〜)。日常と事件を繋ぐのが難しかった。
妖怪と心霊現象、都会と田舎、ゲストキャラの造形などそれぞれが偏らないように意識した。→おお〜創作の裏側聞くの楽しすぎ!
妖怪や色んな年代の人間を描けて楽しかった。むしろ女の子の流行を意識するのが大変だった。 →でも初音たちの髪や服、いつも可愛くて好きだった(*^^*)
・『非ズ』執筆は。
……「担当さんに『続きを』といわれたから(笑)」無山を死なせたくなかったので、それ以外の決着を考えた。
・『非ズ』の構想
……一年前にやっと最終回への道筋が見えてきた。残りの回数で描きたいことが描ききれるかだけ不安だった。他社の連載(メロディのNEZ)も最終回間近で頭が最終回仕様みたいになってた。最終回に向けて色々なキャラを出し、描ききれなかったエピソードはもうない。
・お気に入りの話
……「暗闇の鏡」「塔」「雨夜の乗客」
・取材
……日帰りで行ける範囲で。インターネットで検索して電車で。風景写真を撮る。アシスタントさんとの意思の疎通のために不可欠。なるべく資料を用意。自分で描きたい気持ちはあるが時間がないため。
・印象的な読者の反応
……連載中にチワワ→猫とペットが変わった。自分では気付かなかったが、友人にテンテンが犬→猫っぽくなってきてると言われた。→面白い!鋭い指摘w
朋絵ちゃんの人気の高さが意外だった。なぜ高評価なのかわからない。初音の日常を描きやすくなったのでよかったけど……。→普通っぽさがいいんだと思いますけどね!共感しやすい。あといい子だし。初音とどっちと友達になりたいかというと、やっぱり朋絵ちゃんかなあ。Jr.さんは狙い通り大人気だそう(^^)
・漫画について
……小学生からコマを割ってたので、扉絵やカバーイラストの方が苦手!アニメ業界で働きたいと思ってた。萩尾望都、和田慎二、河あきらさんを読んでた。特に河さんの影響が濃厚で自分でびっくりしたほど。
高校生の時、自分の貯金で鈴木光明さん主催の漫画教室に通った。12回くらいのコース。萩尾望都の漫画の描き方講座も高度で勉強になった。
専門学校の卒業と同時くらいに「花とゆめ」でデビュー出来た。アニメーターじゃ食えないよ、と助言されて漫画に決めた。「花とゆめ」は恋愛漫画が主流の他の少女誌とは違ってたのでやっていけるかもと思った。
事務仕事も接客も苦手、自分の得意を活かせて漫画家になれて本当によかった。
『月光』のあと、体力的に連載が厳しくなり、専属からフリーになったり、思い返せば一つの転機だった。でも漫画を描くのが嫌でやめたいと思ったことは過去も現在もない。
……と、こんな内容でした!
他にモノクロですが、先生のお仕事場拝見の2ページ。先生の後ろ姿が(^^)シンプルでイメージ通りのインテリアです。アシさん用のデスクが横一列に四つ。
創作ノートも。先生は文字で細かくプロットを書かれるんですね!きれいに整頓されたトーン棚。完全アナログみたいです。
あとは既刊の紹介でした。

全然感想までたどり着けなかったので②に続きます

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