「連続掲載スタート!」って表紙に入れたりして親切なんですが、「ポー」が終わった後のフラワーズは果たしてどうなるんだろうと少し心配です。
以下ネタバレありの感想です。
「フラワーズ」2017年3月号(とりかえ以外)
「春の夢」萩尾望都
待望の連載再開だけあって、「春の夢」が巻頭カラー32pで登場です。
アランと昔語りをするエドガーから始まって、見開きの扉絵美しい……!ベッドの上で、眠るアランの肩を抱くエドガー。静謐な空気感。
萩尾先生は2016年度の朝日賞を受賞されたんですね、おめでとうございます。
「覚えてる?」と一ページの内に三回エドガーはアランに問いかけます。
思い出を共有するって結局は愛の一つの形なんですかね。年を重ねた夫婦がいつの間にかしっくりきているみたいに。その人としか語り合えないことがあることが?
新キャラ「ファルカ」、神秘的なオネエで同族! 前回あまりにたくさん詰め込まれていて、とっ散らかっているようにも見えた要素が、エピソードとして機能し始めた感じです。
絵もきれいだし、アランはますます可愛い!
エドガーへの恋にとらわれるブランカ……悲しみのない赤い家……不安定な少女の心がどうなってしまうんでしょう。エドガーはアランのことしか考えてないし、罪な少年だわ〜ほんとに。
ポーの村、大老ポー、バラの村からエドガーに会いに来た黒衣の婦人……完全にファンタジーなのに、萩尾先生が現代の視点からリアリティを足してくれて、謎解きに胸が踊ります。なんという濃密で物悲しい大河ロマンなんでしょう!
「オレはなァ、考えるのさ。いったいオレたちって何者なの? ところがよく解らんのだ」
それは吸血鬼だけでなく、人間そのものへの問いかけです。「火の鳥」で手塚先生はナメクジが築いた帝国が隆盛を極めながらも脆くも崩れ去り、存在すら初めからなかったかのようなしかし架空とも言い切れない歴史を鮮やかに描いて問題提起してくれました。
萩尾先生はファルカに答えを与えてくれるんでしょうか?
「悲しくて思い出のためレオパード柄の布を染めたのよ」
「いつもぼくは残される」
物語を読み終わった時、そこに見出せるものはいったいなんなのか。……あーでも面白すぎて読み終わりたくない!!
今回は一族のヒストリーがわかる年譜つきでした。
「月影ベイベ」小玉ユキ
親友の理央に彼氏が!しかも幼馴染で年上で社会人か〜。めちゃお似合い……。理央いい子だし、このエピは心が温まりましたね。おわら5の踊りもかっこよかった!
動き一つ一つに目が離せなくてドキドキする……って完全に光に恋している蛍子も可愛い!道でナチュラルにいちゃつく二人のビジュアルの完璧さに周りの人がつい目を向けてしまう描写、わかる……絶対見ちゃうわ、これ。
円さんは月見酒。この人も愛を貫きました!収まるところに収まってよかったです。
「グレさんぽ」グレゴリ青山
今回もすごーく納得できる「謎」の話だったけど怖かった。こういう怖さ、とっても苦手……。
「7SEEDS」田村由美
順調にクライマックスに向かってる!多分。花に妬いちゃうナツかわいいな……。
「おうちにカエル」四ノ原目黒
この方の作品、初めてちゃんと読めた!面白かった!四コマ大好き!最後の一ページにきゅんときた……。
こんな感じのショートギャグ枠があったらいいのに……って猫山さんがそれか。
「ふるぎぬや紋様帳」波津彬子
面白く読んでますが感想はないです。物語の中で起きることが全然不思議に感じなくなって、むしろまたかって思うんですが、読後感はいいので雑誌で読む分には問題ないです。でも似たような「PTM」はコミックスも買うし、時々は感銘を受けることもあるので、もうちょっと引っかかりがあるともっと嬉しいです。
「僕のジョバンニ」穂積
限りなくBLっぽい。
「きり侍」渡瀬悠宇
SNSの使い方が自然で、炎上するところまでは予想がついたけど、このオチは予想外でとてもよかったです!後編だけで60ページ、ネタがぎっしり詰まっていて、心理描写もさすがに上手かったし、面白かった!頑張って読んでよかったです。
「風光る」渡辺多恵子
冒頭の土方さんと人妻のやりとり、これ萌えますね! 「はじめちゃんが一番!」で萌えまくっていた過去を思い出しました。やっぱり少女まんが上手い!
「初恋の世界」西炯子
アラフォー4人組が高校生の頃の話!抑圧された少女時代、西先生の真骨頂!女子校〜仲間〜♪何もかも最高!
「屋上で会いましょう」菜摘初衣
まさかフラワーズでDKが主役の漫画が読めるとはw 面白かったですw
ラミネート加工かわいい。つりいらね、ってグラビア誌だけ持って帰ったんですね。かわいいw
何かフラワーズがどんどん分厚くなってるんですが、気のせいではない……んですね。3月号、充実してました。