「フラワーズ」2017年1月号 感想(とりかえ以外)

[amazonjs asin=”B01LYEL9ML” locale=”JP” title=”月刊flowers(フラワーズ) 2017年 01 月号 雑誌”] 表紙は読み切りと連載がW掲載の田村由美先生。干支もばっちりで華やかで素敵です。色もきれい。ロゴが金色なのが嬉しい。いわゆるオシャレな絵柄とかでは全然ないんですが、田村先生の表紙だと安心して買える感じ。
「とりかえ・ばや」以外のネタバレありの感想です。

「フラワーズ」2017年1月号

巻頭は「月影ベイベ」。
やっとおわらの日を迎えましたよ、長かった!蛍子も失恋を吹っ切ったことを光に(間接的に)伝えて、これから進展がありそう。絵がきれいだから祭の描写は楽しんで見られるのが救い。あと螢子が浴衣姿でゴスロリ系私服じゃないのも安心感。
漫画家さんの食卓っていう1ページの新コーナーの第一回目が小玉先生。書き下ろしの小カットが富山のお寿司でした。美味しそう。

「初恋の世界」
最初の予想とは違って群像劇だったわけですが、主人公の薫さんがごく普通の女性なので読みやすいです。母親との葛藤やコンプレックスも共感できるレベルで。
ここのところ雇っているアルバイトのイケメンに何かと迫られている薫さん、断っても断っても冗談めかして口説いてくる彼に困らされているんですが、今回はバイクで海と王道なロマンチックさで。
「一回っきりかもしれないし? 永遠かもしれない。わかんないでしょ、してみないと」
そう言ってキスされそうになったのを拒んで逃げ出して、顔を真っ赤にしてドキドキして汗だくな薫さんは可愛い。小鳥遊くんの真意はわかりませんが、なかなかときめく展開で楽しめます。
今回は西炯子先生のトークショーを誌上再録だったんですが、これはとても良かったです!「初恋の世界」についてははまた別に詳しく書けたらと思います。

「金魚のゆりかご」
12ページの短編。この形の金魚鉢を持って距離を重ねるのは無理がありすぎい!と叫びたくなりますが、逆に言えばまんがならではの表現。内容は良かったです。誰かを救って自分が救われる話。決して根本的な解決ではないんですが、行きずりの他人同士の限界を描いてるのがリアルでいいですね。

「ミステリと言う勿れ」
引き込まれて一気に読みました。主人公の髪型と語りが面白い!キャラクター固定でシリーズ化してほしいです。また青砥さんが見たい。「おまえもおじさんになるんだぞ」というセリフのその先が読んでみたい!
「女の人は群れで立ち上がったりはしない」……「戦争は女の顔をしていない」がまさにそういう内容だった!と、このくだりはすごく心に響きました。

「7SEEDS」
飛び飛びに読んでも決めの場面はちゃんと楽しめるのがすごいです。

「グレさんぽ」
小ネタ集でした。白杖の人が困っている時に声を掛けてくる人は半分くらい外国人(旅行者)。あ…それなんかわかる。声を掛けてくれるなら、「具体的にアレしましょうか コレしましょうかって聞かれるよりーー何かお手伝いしましょうか?これが一番いいです」
おお…こんなにも大事で役に立つことを、こんなにわかりやすく押し付けがましくなく伝えてくれるとは、エッセイまんがならでは!グレ散歩はやっぱりいい!
最後にもう一つ、昔からある町の中華料理屋さんで「今この空間に」スマホいじってる人がゼロだ、という気付き。いいなあこの視点……。2016年を締めくくるにふさわしい充実の内容でした!

「ふるぎぬや紋様帳」
洗練された生活と、怪しくてうさんくさい世界。伊都子さんは楽しくていいなあ。精神が強靭でうらやましい。

「ブラ日和」
花めい子さん面白いな。怖い顔でLINEに心にもないことを即返信してスマホ投げるのがリアルだった〜( ´ ▽ ` )

「私的偏愛読書生活」というコラムが始まって、1回目はさいとう先生。
「ダルタニャン物語」かあ……読んだことがないのに言うのもなんですが、納得のチョイス!宝塚もお好きなんですね、先生の作品ドラマチックですもんね。

今月は読むところいっぱいで面白かったです!
2月号は岩本ナオ先生が表紙で登場。マロニエシリーズです。一回目がとっても素敵だったので超楽しみ!マロニエについてはまた書きたい……来年こそ。
「とりかえ」は巻頭カラーです。トークショーの誌上再録は次回は渡辺多恵子先生なので、これはちょっと楽しみです。どんな方なんでしょうね。

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