「とりかえ・ばや」感想① フラワーズ2016年12月号

[amazonjs asin=”B01MDMD28J” locale=”JP” title=”月刊flowers(フラワーズ) 2016年 12 月号 雑誌”] なんて美しい表紙……!恒例の「お花」がどこにもないけどきっと、この花のように美しい恋人たちで充分だからなんですねぇ……。うっとり。沙羅を慌てさせて楽しんでる主上も好きだったけど、こういうしっとりして信頼関係が伺える絵も最高です。文字も全体的に和風の色遣いで素敵。
今月はまたしてもびっくり展開でした。もう毎月そう書いてる気がしますが。
以下ネタバレありの感想です。

「とりかえ・ばや」episode52.大祓

中の表紙は大祓の装束の東宮様。「離れていても 会えなくても あの方と繋がっているーー」というしっとりしたあおりと絵から、まさかあんな展開になるとは絶対に予測出来ないのが普通w

睡蓮が命がけで手に入れた銀覚の悪事の証拠。
しかしけがれた呪いの品を清涼殿の中には持ち込めないと、主上と東宮に承香殿に出向いて検分してもらいます。
沙羅がいきなり有能っぽくてカッコいい。美人。
難しい顔で木箱の中をあらためた主上、髑髏、呪詛の札……帝・東宮・朱雀院と名が記されているのを確かめます。袖で顔を覆った東宮も、恐れおののきます。
これを沙羅双樹が、と感嘆される主上。
「銀閣は重罪に処さねばなるまい。そなたの兄はまこと剛者(ごうのもの)だ」
「ありがたきお言葉!右大将も喜びましょう」
そう答えながらも、手放しで喜んでいる風には見えない沙羅ーーそこへ無邪気な喜びを浮かべて東宮が睡蓮の現在の居場所をたずねます。
吉野の宮とご一緒?須磨に戻られた?
嬉しそうにたずねる東宮の背後では、本当のことを伝えられなかった三の姫がはらはらと見守っています。
答えに詰まる沙羅に、主上が重ねてたずねられます。
「それが……あの、兄は行方知れずとなっております」
真実を明かす沙羅の言葉に、主上も東宮も一瞬にして顔色が変わります。
何でも谷に落ちたとーー同行した者たちが捜していますが未だ……でも私は信じています、兄は生きていると。
無理に笑顔を作ったような沙羅の言葉も終わらない内に、東宮はふらっと倒れかけます。間一髪でそれを受け止めて、主上は東宮を抱え上げます。
「しとねを」
「はい!」
三の姫を筆頭に女房たちが慌しく駆け回ります。
横たわった東宮は、大事ない、血が引いただけ、驚いて……と青い顔で気丈に微笑みます。そのいじらしい姿に三の姫の方が身を震わせ、いっそ大祓に出るのをおやめになっては?と進言しますが、東宮は言下に拒否します。
御役目を全うすること、今はそれだけがただ一つの望み、それだけはやり遂げる。
そう言われては三の姫もそれ以上は何も言えず……。
どちらの気持ちもわかると切なくそのやりとりを眺めていた沙羅に、主上が声をかけます。
「そなたは大丈夫か?」
「……はい」
ここのやりとりで目を見交わす二人がすごくきれい。もう夫婦みたいなすごくいい雰囲気で。
「あの……おそれながらーー」
「うん……」←この言い方、萌え!
沙羅の話は真面目な話。
銀覚を重罪に処すとのことですが、そうすると弓弦親王や式部卿の宮様にも罪が及ぶことになりませんか?式部卿の宮の本意は不明ですが、弓弦親王は私の見る限りただ利用されただけで何もご存知ではないかと。
「銀覚を捕えるなと申すか?」
それは捕えねばなりませぬ!ですが罪を公にしてしまっては、連座は避けられない事態になります。
自分の考えを訴える沙羅を、主上がじっと見つめています。
今、そなたの兄ーー沙羅双樹といるかのような気がした。
正面から向き合っている顔を袖で隠す沙羅。
疑っておられる?入れ替わっているのではないかと⁈
恐れおののく沙羅を、怖いくらいの眼力で見つめる主上ですが、ふっと顔を和らげます。
そんな風に思うのは、右大将が行方知れずと聞き、都に呼び戻していればこんなことには……という後悔のせいかも知れない、と。
沙羅を追いつめない、睡蓮のことを心配する、主上のやさしさ……。でもやっぱり最終的にはバレそうですね。少女まんがは真実のありのままの自分を愛してもらってハッピーエンディングだから、それでいいんですねきっと。
歩きながら実際の打ち合わせに入る二人。
では、どうしたらいいと考えてる?
銀覚が自ら手を引くように追い込みます。
策は?
吉野の宮の手をお借りします。深い因縁のある間柄で、銀覚を知り抜いた御方ですから。
沙羅の説得は主上の心を動かしました。
「この度のことでそなたと兄が払った犠牲は大きい。そなたの身を守るためにも表に出ぬこと、それを条件にそなたの言うように任せよう」
主上の全面的な信頼を受けて、沙羅は頬を染めながら「……はい!」と力強く答えます。
今回は色っぽい場面こそなかったですが、きちんと話し合いをする二人の信頼関係がいい感じでした。沙羅も久々賢そうだったし、主上の厳しい政治向けのお顔は凛々しくて素敵だったぁ……。
そしていよいよ夏越大祓です!

盛りだくさんの②に続く。

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