…誰の赦しも いらない
神様の赦しも いらない
何の為に生まれたのか わからないけど
そんなの 俺だけじゃないだろ
生まれたんだから 結局 生きる為だろう
…ただ 俺は
自分の赦しがなければ 生きられない
「少年魔法士」なるしまゆり
[amazonjs asin=”B01H2AIM50″ locale=”JP” title=”WINGS(ウィングス) 2016年 10 月号 雑誌”]発売中のウイングス10月号で、「少年魔法士」が堂々完結!
なるしまゆり先生のポエム?大好きでした!しかし20年とは長かったですね〜。この表紙、感慨深い。いいレイアウトです。
特別付録に完結記念インタビュー付き、一巻まるごとの小冊子。今読むと、一巻かなり読みにくくて意味がわからないですが、当時はかなり熱狂的に一部の愛好家に迎えられたと記憶してます。
インタビューは6ページと短め。
この作品は「自分の中高生くらいの頃の意味もないモヤモヤに向けて描いて」いたので、面白いのか、誰に向けているのかもよくわからない。ただ何かの部分が誰かに響けばいいなという「凄く感覚的な動機で描いていた」そうです。だから(展開に)詰まると大変で、20年もかかった……ということでした。
なるほど……納得です。
物語の骨子はもちろんあるという前提で、日々考え方が流動していく中で、その時々で自分が納得出来るレベルの表現を突き詰めてモヤモヤを具現化するの大変そう!
休載も多く、ファンも諦めかけていたこの作品が無事に完結を迎えて感激です。
以下ネタバレありの感想です。
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少年魔法士
今回の掲載順は「パーム」が毎回必ず巻末に掲載のため、その一つ前。後ろから2番目ですがカラー付き。日本のなんでもない町並み、勇吹が住んでいた町……でしょうか?もう十年くらい読んでないのでわからないですが。そして最終回の内容もほとんど分からなかったです、実は。
ページをめくると「これが少年たちの、魂の、終着点!」というアオリ?
絵は変わらないですね。相変わらず読みにくい。
「神霊眼」という力があって、それを巡って色んな争いが起きていく話だったと思うんですが、その「神霊眼」は万能じゃない。
「失われたもの または失われていくものを 完璧に再現する力はない」
「何かが そして自分が 変わってゆく事を止める事はできない」
「生命とは運動だ……生きたまま静止する星はない」
自分が世界にとって取るに足らない存在でも、幸福を感じる心があり、自分を損なわない生き方をすればそれでいい。
そうはいっても厄介なものが「愛」で、「愛とは一ミリグラムでも多く相手からもらいたがると急に地獄になるもの」。でも決して人間から、意志のある者から切り離せないもの……。
ユーハは人の中でごく普通の暮らしをし、レヴィのそばには変わらずナギがいて、アークはカルノに喰われて終わる。
勇吹は「一人じゃなくてよかった」とカルノに伝え、置いてきたもの、懐かしい日常の暮らしに戻ることを決意する。
「生きる限り 迷い続けよう」
長い長い物語の、そこが着地点でした。
ゲーテの名言、「空はどこに行っても青いということを知るために、世界をまわって見る必要はない」。
けれど人間は外国の空を見てみたいという生き物で、自分自身の手で真理をつかみたいと模索するその過程こそが物語であり、その美しさは確かに心に響いたと思います。
なるしま先生、お疲れ様でした!
そして次号からはなんと!「原獣文書」が奇跡の再開です!嬉しいですね〜とても楽しみです。しばらく「ウイングス」買ってみようかな……。