まんがの名言・名場面⑦「パーム」シリーズ

まんがの名言・名場面⑦「パーム」シリーズ

ネットの海をさまよっていると、びっくりするような発見がありますよね。
時間を浪費しているだけっていう見方もあると思いますが(^_^;)

私が今まで一番影響を受けたまんがは「はみだしっ子」です。思春期に読んだので、意識するしないにかかわらず、考え方・ものの捉え方に影響が出ていると思います。
二番目が獣木野生(何という筆名! 伸たまきの方が百倍よかった)の「パーム」シリーズ。最終章に入って評価が分かれそうな展開になってますが、「蜘蛛の紋様」までは間違いなく傑作だと思います。名言の宝庫です。

「王の言うことがわからないわけじゃない。彼は俺に時間を浪費させたくないんだ。だが、時間の無駄かどうかは問題じゃない。そんなことはどうでもいい。無駄でもいいんだ。
たとえ幻でも夕べ見たものを忘れることはできない。……たとえそこに至る扉が二度と見つからなくても、もといた場所を忘れることはできない」

「……わたしはライオンやアフリカにそれほど夢中なわけじゃないが……君の気持ちはよくわかる。
確かに時間の無駄かどうかなんて問題じゃない。誰しも手の届かないものを追いかけているんだ。ただどれだけ近付けるか、それを知りたいのかも知れん。――そもそも時間の浪費こそが人生なのかも」

「愛でなく/パーム」

ジェームスとカーターがいい事言ってる……。
今まで何度かもう結末はわかっているんだし(「ファイブスター物語」と同じで年表が出ているため)、絵も変わっちゃったし読むのやめようかと思ってきたんですが、内容の詳細を忘れた頃に読み返すとまた圧倒されて感動してしまうその繰り返し。

私は主婦で一応仕事もして趣味もあって、何より要領がよくないためもう何年も退屈だと思う時間がないんですが、若かった頃はやっぱり退屈だったような気もします。「時間の浪費」と言っても「夢中になれる何かに熱中している時間」というものは人間にとって大事なものですよね。
「よりみちパン!セ」という、「ヤングアダルト向けのサブカルチャー的な「教養書」の叢書」(Wiki)というシリーズがありまして、理論社が倒産した際にイースト・プレスに引き継がれました。そのスタート記念に書店で配っていた特別書き下ろしエッセイの小冊子。そこにみうらじゅん先生が寄せていた一ページたった十一行のエッセイが素晴らしいんです。

人生には若い・そう若くない・もう若くないの三段階があり、最終的にみんな死ぬ。
「人生とはハッキリ言って、アッサリしています。」
ところが「ただ生きているだけではつまらないので人間は『幸せ』というものを考えだしました。」
こうすれば幸せという状態になれる、さらに色々付け加えるともっと幸せになれる「とかそーゆー人生における目的」を頭をひねって生み出しておいて、「いつの間にか人間は自らが考えた言葉なのに、幸せというものが本当にあると錯覚」してしまった、それこそが人間の不幸の始まりだったのだと。
「とにかく、退屈はいけません。退屈にならないように日々、心掛けること。これが生きるということです。
生きると死にますがあまり気にすることはありません。そもそも無だったものが無に返っていくことだけですから。」

「退屈はいけません」みうらじゅん

あまりに短いので逆に全文を引用しないために苦労しましたが、引用なら全文でもよかったのかな? 短いので何度も読み返しています。

「パーム」シリーズはカート・ヴォネガットの影響が感じられて、そこも大好きなポイントです。

私は今日の午後、谷川俊太郎氏の「地球へのピクニック」という詩を読んで感動して、Wikiを見ている内に佐野洋子さんが韓流ドラマに傾倒していた時があったと知り、人間って本当にわけがわからないし、自分で自分をコントロール出来ないんだからどんなに頑張ったところで人生には滑稽な要素が生まれちゃって、みんな同じなんだから堂々と死ぬまで生きたらいいんだと思ったり。

今日は子どもが子ども会の集まりで出かけて、私のいないところで安全に遊んでいて、死ぬまであの日は楽しかった! と感じるような時間を過ごしているんだと思うとしみじみ嬉しくて、何かに感謝せずにはいられません。
しかもその間こうして好きなことで時間を潰して、まったく退屈を感じず、本当に「幸せ」だと思いました。

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