以下ネタバレありの感想です。
「フラワーズ」2017年6月号
「水槽夜曲」
感想を書くために読んでみたら、案外面白かったです。主人公がコミュ障気味、BL風味、同性の反感を買わなそうなぶっ飛んだ訳ありの女性キャラと、興味を引きそうな要素をふんだんに取り入れつつ、納得のいく心理描写で読ませます。
ただ絵の方が、線はきれいだし、表情はすごく良くて、程よく読みやすい描き込み量なんですが、時々身体つきや肝心のスーツの描き方が気になる……。でも面白かったです。初めから続編ありきな感じはどうかと思いますが、続きが読みたいと思います。後、若さを感じる作風が新鮮で嬉しかったです(^^)
「春の夢」
いつのまにかvol.5！今回の表紙、かわいい可愛い！天蓋付きのベッドで眠るアランに付き添うエドガーなんですが、天使のベッドがそもそもかわいいのに、なぜか花や魚、たこ、ヒトデが画面上に飛び交っていて楽しい。子供部屋の二人って感じです。
そして正直ストーリーからは脱落気味です。大老ポーの話していることが全然わからない。いやブランカ側の話は正に流れるように進んでいて、これまで出ていた伏線がカタストロフィーへと集約されて、ついに運転手がブランカを襲うというクライマックスを迎えています。やはりブランカの薄幸さがエドガーを惹きつけていたのですね。アランの意地悪ぶりも板についてきてかわいいです。
78ページは特に素敵だった…！ 雨の中戻ってきてコートを脱ぐエドガー、寝ないでエドガーを待っているアラン。
「エドガーってさ ウソつくときは 目をつぶるんだ」
アランの複雑な心情を込めながらも簡潔であるというこのモノローグを、最後の小さなコマに言葉だけ閉じ込めてしまう萩尾先生のセンス、素晴らし〜！ ため息……。
「７SEEDS」
最終回直前。みんなが頑張っているので幸せに終わりそう…。
「マロニエ王国の七人の騎士」
新キャラ？のヨアン様が素敵（新キャラかそうでないのかよくわからない）。世界観がすごく作り込まれていますが、動植物や服飾・風俗・倫理観は現実世界と同じみたいですね。北へと移動して森が広葉樹から針葉樹になったり、挨拶がビズになったり……という丁寧な描写に旅の臨場感があってわくわくしました。花を浮かべた足湯がとっても気持ち良さそう。描き込みもすごいし、コミックスは是非A5版でお願いしたい！
岩本先生の心理描写、時々わかりにくいところがあるんですが、エレオノーラがわかりやすい女性なので、今のところ付いていけてます。いい感じ。
「僕のジョバンニ」
高校生編、ちょっと面白いです。読んでます。鉄雄がいい感じに変化しました。でも孤高の天才と絡んだらどうなるのかな？ ハッタリだけで進んでいく感じのまんがですね。
「ゆとり新入社員猫山さん」
猫山さんの服が似合ってて可愛かった。
「初恋の世界」
薫さんの友達の学校の先生、大浦氏の恋愛事情でした。理想の相手との生涯一度の恋愛を夢見て34歳まで独身を通していた大浦氏が、なぜ不倫関係に陥ったか。
うーん、結局人生でそれまでになかったようなドラマチックな展開が現実に起きて、思ったより嫌じゃなかったのでそれに飲み込まれてしまった、運命というか偶然のタイミングって感じですね。理想の相手でも何でもないですしね。目の前に存在する（好きなタイプの）他人が自分を深く求めているっていう麻薬に蝕まれているみたいな。何だか納得がいかないですが、大浦氏が自分の妄想を超える「ドラマチックな恋愛」を求めていたからこうなったってことで、リアルではある。
アルバイトの小鳥遊くん、一緒に住んでいる？女性とはどうも恋愛関係じゃなさそうだったり、喫茶店にこだわる理由が明かされそうだったり、群像劇だから展開は遅いけど、色々あって面白いです！ この作品好きです。
「桃太郎日常茶飯事鬼退治」
秋里和国先生の新作。でもまたしても京都が舞台で、妖怪が出てくるやつ。そして全然すっきりしない鬼退治w 先生……読み切りくらい勧善懲悪にして頂けたら……読みやすいかも。女性が読んでいるんですからw
でも「みたらし祭」の描写はすっごくよかったです。前の前の町屋の連載も京都観光案内の部分は楽しかったし。シリーズ化ならそちらを活かして欲しいですね。
「ブラ日和」
男子目線だとほんとに意味がわからないって感じだったんですが、翌月号を読んでわかるとすごく面白かったです。高校生かわいい。
7月号で「７SEEDS」が完結。「春の夢」は予告では最終回ってなってなかったな……。
