「フラワーズ」2016年4月号 感想2 海街diary

[amazonjs asin=”B019T9FEH6″ locale=”JP” title=”月刊flowers(フラワーズ) 2016年 04 月号 雑誌”] 雑誌の表紙は「重要参考人探偵」ですが、下方に大きくタイトルと小カット、祝!小学館漫画賞受賞と入ってます。第61回一般向け部門。
表2(表紙裏側)に先生からのコメント。……「とりかえ」のページにはちょっとひねくれたことを書きましたが、先生のコメントや柱を読むと、やっぱり賞をもらうって素敵なことだなーと自然に感じました!おめでとうございます!
以下ネタバレありの感想です。
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海街diary29 乙女の祈り

巻頭カラー。表紙はすずとチカちゃんが「八雲神社」に来ているところ。鎌倉で一番古い厄除け神社だそうです。

サッカーの試合中、PKでキッカーは風太と緊迫した場面から始まりました。プレッシャーの中見事決めて、初戦に勝利。優勝候補に勝ったのでみんな大喜びです(なんの大会なんだろ…?中学生なのに男女混成チームだし…って今更すぎて流すところですかね…)。
海猫亭で祝勝会。ベタだけどカツカレーやで!と盛り上がる中、貸し切りの店内に入って来てしまったお客がいると思ったらなんと!髪を切ったチカでした。アフロに慣れていたみんなは戸惑いますが、
「オードリー・ペプバーンを意識してみたの」と笑顔で言われ、年長者はえ・え〜と二の句が告げず、中学生たちはよく分からないのでニコニコしてますが、すず一人だけが髪を切る、その行為に何か深い意味があるのではと勘ぐってしまっています。
ーーすず同点ゴールすごいじゃん。髪?気分変えようと思ってさっきね。
ーー似合うけど、アフロのイメージ大きいからびっくりだよ。
店長も切ったんだよ、とチカはみんなに店長からのお祝いメッセージを見せます。
オクトパスの初戦突破を喜ぶ店長の隣にいる友人、高山登。かつて店長とエベレストに挑戦して撤退したこの人物、今秋再度チャレンジするので皆も頑張ってとメッセージをくれました。
店長はこの高山さんを全面的にサポートすること、会社が協賛しているので社長公認であること、前回と同じ西陵ルートと、海猫亭のマスター・浜ちゃんとメル友の裕也・チカちゃんで説明。
そして別々に訪れるので気付いてなかった四姉妹の関係を、同居の経緯までマサ母がマスターに説明。説明多すぎでちょっとしんどい!
「…どっちにしてもよう似た姉妹やな」とマスターは述懐。
店を出てバスに乗ってからもエベレストの話題。男のロマンを連発して裕也と風太にWで怒鳴られるマサ。いや、マサの反応ごく普通だろ…(^^;;
しかし裕也は特に自分と店長を重ね合わせて、俺もサッカー出来なきゃ死んだ方がいいって荒れたけど、今も生きてる。楽しいこともあるし。浜ちゃんもそうだと思ってた。出来る範囲で付き合っていくんだって。もう一回命をかける理由はなんだろう?……男同士の話を背中越しに聞きながら、チカは理由を知っているのか?と漠然とした不安を感じるすず。チカちゃんは寝てしまっています。正社員になって遅番が増え疲れているようです。
家に帰ると幸も佳乃も昭和!おばさんっぽい!ヘプバーン?!と大受け。姉たちに抗議するチカを見て、すずはいつもどおりだ、と少し安心します。妊娠検査薬のことも、考え過ぎだったかも……と。
そして鎌倉に夏が来ます。すずにとって、みんなとすごす最後の夏。
夏休み前に進学する高校の説明会があり、他の特待生とも初顔合わせになることを考えると、さすがに心細くなるすず。でも帰って来ればみんなに会えると、深呼吸して自分を落ち着かせ……ふと目を向けた先、極楽寺の地蔵堂の縁側で寝てしまっているチカを発見!驚いてかけよったすずはチカの顔色の悪さに、もう黙っていられず「自分が知っていること」を話します。
バレちゃったか、まだね10週目くらい。一見チカは落ち着いています。
「お、おめでとう」…でいいんだよね?と初めてのことに戸惑うすず。
「ありがとう。すず『叔母さん』になるんだよ」
終始穏やかな受け答えのチカの叔母というその言葉、その響きが思いの外嬉しく感じられ、すずは頬を染めます。
チカが休んでいた一見民家のようなこの「導地蔵堂」、こちらも子育てに霊験あらたかなんだそうです。このお地蔵様の目の届く場所では、子どもに災難は起きないんだと。
お姉ちゃんたちには自分で言うから、あと少し待って。そうチカはすずに頼みます。チカもまだ気持ちの整理がついていないのです……。
これから一時帰国する店長に会ってくる、駅でお守りを渡す時間くらいしかないんだけど、と笑うチカを心配して無理やりすずは同行します。
鎌倉駅で再会した二人。ヘプバーンそっくりだ!と盛り上がってすずびっくり。わかっちゃいたけどアウェイ感ハンパないって、展開上の都合とは言え、どっちもかわいそう!いやここすずいちゃダメな場面でしょ、思う存分いちゃつけないでしょ…っていう。すぐ尾行したり強引な展開も多いですよね!会話とかスムーズで上手いから読みにくいわけじゃないからいいんですが、作り物感が出てちょっと残念に感じるんですよね……。
お互い労わりあって、慌ただしいながらも、素直に想いを伝え合い、手を振って別れて行く二人。厄除けのお参りのためにすずたちは八雲神社へ。
店長が8千メートルの世界に行くから、お参りも八あわせ!八幡さまの次は八雲神社、全部で8カ所行きたいの!神頼みしかできることないしーー。
すずは「ハァ」とか言ってますが、こんな可愛いこと言われたら確実に惚れ直すわ、チカ可愛い!
二人のつかの間の再会に立ち会ったことで、妊娠のことを当事者の店長にも伝えていないことにすずは気付いて、チカを責めます。
一番大事なことなのになんで?
帰って来てから話すつもり。
それは3か月以上も先のこと。すずはとうてい納得出来ません。
「彼には山に集中してもらいたいから」それがチカの答えでした。
あれ以来国内でも、チカと一緒でも、あんなに好きだった山に登ることが出来なくなってしまった。足の指と一緒に失ってしまったもの、後悔しているなら、今から取り戻して欲しい。
「好きだったものを普通に好きだって、言えるようになってもらいたいの」
チカちゃんは自分より好きな人が第一なんだ。チカの乙女心に感動して、とりあえず矛を収めるすずですが、内心はちょっともやもや。
チカちゃんばっかり我慢してるじゃん?と。
映画「グラン・ブルー」のラストシーン、やはり彼の子を妊娠しているジョアンナが、死と限りなく近い深海へと潜水をしようとするジャックをどうしても止めることが出来ず、「行って見てくるといいわ、私の愛を」と泣きながら送り出すしかなかった、そんな感じ?
「好きなヒトには幸福でいて欲しい」チカの献身的な愛の行方はどこへ辿り着くのでしょうか。
上の姉たちに話して荷物を軽くして貰うより、今はチカの気持ちを大事にしたい。
神様に店長のことを祈るチカのために祈るすず、以前よりも背が伸びて、少し大人に近づきました。

すずが静岡に行く前には生まれるそうです!次回8月号ですよ?6月28日!すっごい希望溢れた終わり方でもなかったし、続きが気になる……(−_−;)
私もすずといっしょにチカちゃんの愛に感動しました。
先生は柱で「ありがたいことです。長生きはするもんだ」と。受賞コメントも大体同じ趣旨でした。今回とにかく台詞が多い!って感じでしたが、面白かった!

8月号の感想はこちら

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