まんがの名言・名場面④ 「マインドアサシンMIND ASSASSIN」

[amazonjs asin=”4086183196″ locale=”JP” title=”Mind assassin (3) (集英社文庫―コミック版)”] 1994年に週刊少年ジャンプ誌上で連載された作品です。連載終了後も読み切りが増刊号に掲載されたりと、それなりの人気作品だったと記憶してます。
手元にあるのは文庫版の3巻。31話目の「異国の雪降る街」がシリーズの中でも特に好きで、今でもこの3巻だけは手元に置いています。
画面はすっきりしていますが、線が細くてセリフが長いためか、コマ数が多いわけでもないのに読みにくい。でも不思議な味わいがあって、心に残ってるんですよね…。

「私は…やっぱりさびしくなる時もあります…
でも、人間って弱いから、百の楽しさより一のつらさを覚えてるものでしょ?
だから、それを反対に考えたら、今、私はさびしいかもしれないけど、当たり前みたいに通りすぎた楽しかった事が何かあったんじゃないかなって思い出せるんですよね」

主人公のかずいに、ドイツで知り合った留学生、渡辺秋野が言う台詞。
人間って弱いものだという前提、当たり前みたいに通りすぎたと、自分が恵まれて概ね幸せな人生を送っているという意識。これだけ客観性を持っている人でも寂しい時はやっぱり寂しいし、時には自分がこの世で一番不幸のように感じてしまう……。
人間ってどうしようもないけど、だから誰かを求めてしまう社会的な生き物なんだと。

清原なつのの短編「森江の日」にもこうあります。

「こころよいことはいつもやさしくとおりすぎてしまう
ざらついた思いの数倍もはやく」

冷め切ったように見える両親の若き日に、確かに労わりあう愛が存在したことを知った娘のモノローグ。

今日みたいに落ち込んでいる日にはいつも秋野の台詞を思い出してしまいます。
かけがえのないことを当たり前みたいに扱って、すぐに忘れてしまうのはどうしてなんでしょうね。
辛さを心に刻んで危機を避ける方が大事なことだから? 同じ間違いを繰り返さないため?
それとも喜びに出会った時、いつも新鮮な気持ちで受け止められるようにでしょうか?……

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