「フラワーズ」2015年10月号 感想1 とりかえ・ばや

やっと夏休みが終わりました!長かった……。最後の日まで宿題やってたので、今年は辛かったです。
おかげですっかり「とりかえ・ばや」祭りに乗り遅れてしまいました。今月号の盛り上がりはすごかったですね!
というわけで、「Kiss」も面白かったですが、今回は「フラワーズ」の方から。
以下ネタバレありの感想です。

「とりかえ・ばや」episode38

十日夜の宴で、前回思いがけず急接近してしまった二人。
真正面から見つめ合う形になり、夢見心地なのは沙羅だけではないようで。
先に夢から醒めた沙羅があまりのことに頬を染めて、
「ご無礼を」
と平伏しますが、主上はまだ夢の中なのでしょうか。
東宮様を筆頭に、皆が息を詰めて見守る中、あの聡明な方が何の気の利いたことも仰らず、恐る恐る顔を上げた時もまだ一心に沙羅を見つめているのでした。
舟の上、月の光、美しく装った人々、仄暗い中きっとお互いの姿だけが光を放っているように見えるんでしょうね……美しすぎます!
セリフのない3ページ目、袖で顔を隠しながら、上気した頬のままおずおずと顔を上げて主上をそっと伺う沙羅、可愛い!そりゃあ主上も目を離せませんよね(^^)
そして、目の前の光景にショックを隠せない三の姫……。
この夜のアクシデントは、早速格好の噂の種になっています。
主上は睡蓮の尚侍をお気に召したに違いないと。
三の姫にまで責められて、沙羅は困り果てていますが、陰でこそこそ言わず本人に直接苦情を寄せるなんて、正直でいいなあ。意外と裏表のない方なのかな?
沙羅の本心も沙羅よりわかっているようで、
「女同士 堂々と争いましょうぞ!」
どちらが主上の御心を射止めるか。一生懸命で憎めない人です。

宴が無事に?終わったと思えば、すぐに五節の行事の準備です。忙しいですね。
「五節の舞姫」について。
昔はこうで面白かったけれど、今はもうそんなこともないですなあ。莫大な費用がかかって大変ですなあ。とか貴族のおじさま方がたった五コマで解説してくれます。
読んでいて面白く、知識が身に付いて、舞姫として帝の目にとまり皇后になった例もある、とこのエピソードの必要性を過不足なく説明しているのはお見事!
そしてなんと、この「舞姫」に三の姫が立候補します。
(高貴な)身分的にも、(すでに行き遅れの23という)年齢的にも、舞姫に相応しくないのは承知の上で、明らかに睡蓮の尚侍に惹かれている様子の主上に自分を印象付けるにはこれしかない。姉の女御が懐妊する気配もないのに、さらに三の姫の入内を打診することは父上の立場上出来ないでしょうからと……。
右大臣は娘のいじらしさに涙を浮かべ、頭を撫でます。
なんという賢い子だ、父はおまえに感心しきりだと言われた三の姫の嬉しそうなこと!

実際に三の姫が舞を習い始めると、女房たちは陰で面白がって、女御になるという三の姫の野望を持ち出して笑っています。
そんな様子を心配そうに見つめる沙羅に、父の左大臣から文が届きます。
主上は時々上の空で、睡蓮の尚侍のことを気にしておられるようだと。
しかし、入内するにせよしないにせよ、かつて男として伺候し主上や宮中全てを欺いていたことが露見すれば左大臣家そのものが破滅する。だから慎重に振舞うようにと。
言い付け通り文を火鉢で焼き捨てる沙羅、ここで胸の奥底に秘めた真情が明らかになります。
石蕗との子を死産してしまった自分より、健やかな三の姫の方が主上の役に立とう。
打ち明けられる相手もいない、辛い思いを抱えたまま、沙羅は父にある頼みごとをするのでした。
沙羅は「主上のお役に立ちたい」とか言って、恋心を未だ自覚していない感じですが、無意識にブレーキをかけているんでしょうね。沙羅の表情のちょっとした描き分けがすごく良いです。

そしてついに五節舞の下稽古の日。衣装もつけて、帝と近親者には公開されるというので、現代で言うゲネプロって感じですね。
右大臣が娘が心配で気が気でない様子なのがほっこりしますが、十も年下の少女たちに混じって舞うというのはやはり嘲笑されるべき振る舞いということで、三の姫の決意の悲壮さが際立ちます。
直前になって緊張のあまり少女がひとり倒れます。そこへ遅れてやって来た左大臣の献上した舞姫ーーもちろん沙羅です。女同士、堂々と戦いましょうと言われて三の姫も嬉しそう。
舞姫の結い髪とお化粧が、どっちの尚侍もよく似合っていて可愛い!衣装も!美しい。
それにもまして……
「帝が……私ばかり見ておられる?」
御簾越しに熱い視線が……上様ったら(≧∇≦)どうしようもなく目が沙羅を追ってしまうのでしょうか?
「このような五節舞は初めてだ」と絶賛してますが、それは上様が恋をしているから。もう一度見られる夜が楽しみだ、と目を輝かせて、まるで少年のよう。
三の姫は沙羅と競い合えることを無邪気に喜び、沙羅も次はもっと良い舞を!と応えますが……本番直前になって、睡蓮の尚侍が体調を崩したことを伝えられるのでした。

結果として下稽古と同じ三人での舞になり、「天女そのもの」「五節舞の尚侍と呼ぼう」と絶賛され、三の姫は無事に務めを果たし、父の誇りとなりましたが、
「勝ちを譲られるなど……くちおしい」
と涙を零すのでした。
こんなに頑張ったのに、結局は蚊帳の外なのが哀れです。
主上、沙羅のことしか頭にありません。緊張のあまり体調を……と聞いても、
「信じられぬ」と、席を立ちます。
宣燿殿にて沙羅と話をする父は主上の気分を害したことを心配するのですが、沙羅の方は興が削がれたのならかえって良かったと……。理性では本心からそう思っているのでしょうが、感情では葛藤があるのが伺える表情です。上手い!
どうにも気鬱な父娘の元に風が舞い込み、十良子が主上のお渡りを告げます。
「関白左大臣の舞姫をお召しです」
お召しがあった舞姫が帝と共寝されそのまま皇后に……という前述の説明があるため、ものすごく意味深な台詞です!
しかも険しい顔で有無を言わせず、左大臣を下がらせました。二人きり!
予告には「ドラマチック急展開!」とあるし、次号表紙&巻頭カラーだし、ついに……⁈って感じなんですが、どうなの?どうなるの⁈((((;゚Д゚)))))))

こんなどっきどきの展開なのに、柱を読むとさいとう先生、某刀剣ゲームにハマっていらっしゃる……。和みました( ´ ▽ ` )ノ次回も楽しみです。

11月号の感想はこちら

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