「ウイングス」2016年10月号 感想② 魔法使いの娘ニ非ズ

もう33話だったんですね。既刊が6巻で、本誌のストーリーが多分佳境に入って来た(?)ので、前作と同じ8巻で終わりとか?前作も最終巻のまとめ方がすごかったですよね、きれいで……。そうだとしたら寂しい、ずっと初音ちゃんと兵吾(とパパと小八汰)といっしょだったのに。読者って勝手なものですね。散々展開が遅いとか中だるみとか言っても、終わると寂しい。まだそう決まったわけではないですが。
初音ちゃんの口から一回くらい「魔法の言葉」を聞きたいものです。
以下はがっつりネタバレになりますのでご注意ください。
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「魔法使いの娘ニ非ズ」第33話:二人

このサブタイトルはダブルミーニング?(^^)
一つには、二人の少年=二体の人形。パパの魂が二つに分かれて人形の中に入ってしまったんですか?この前の号を読んでないので、話が良くわからないですね〜。
そのお人形さんたちは初音ちゃんにものすごく執着してて、術者の制御不能になりそうな……?
そしてJr.さんが怪我で入院してました。
パパも病院で意識のない状態で入院中。
きっと何か大変なことがあったんですね。まあそこはコミックス待ちで全然OK!

(私的に)重要なのはもう一方の二人。初音ちゃんと兵吾です。
最初に、人形の攻撃を受けて、初音を庇った兵吾が怪我をします。こめかみの辺りから肩までざっくり。
他流の術師のおうちで手当てしてもらいます。(ちょうどその右ページに怖い絵があってつらい)
兵吾の怪我が結構深く、血が止まらないので病院に行った方がいいと。自分のせいだと申し訳なさそうな、けれどそれだけではないようななんとも複雑そうな初音。
兵吾がこれくらいの傷大丈夫と言うのを、初音は有無を言わさずJr.さんのいる病院へと連れて行きます。
手当てしてくれた女性が、
「あなたたちならまだ若いし、他の道も選べるでしょ?」
これ以上は危ないわ……と忠告してくれるんですが、二人には他に道はなく、そのことを誰よりも自分たちがわかっているのが悲しいのです。
Jr.さんに会って、お前はこの先どうするつもりなんだ?と問いただされた兵吾。
「決めるのは初音ですよ、俺はそれに従うだけ」と答えます。
呼び捨て萌える!は置いといて。
Jr.さんは兵吾を呼び止めて忠告します。
おめぇさん、随分と自信がねぇみたいだが、自分で決めつけてるより何倍も相手に必要とされてるんじゃねぇのか?
「さっさと初音のとこに行ってやりな」
無事な顔見せて安心させてやれーー
大意はそういうことかな?ということを、Jr.さんがわざわざ伝えてくれてるのに、いまいち理解していない風の兵吾。じれったいな。
その間に同じ病院内のパパの様子を見に行った初音の方にも一悶着あり。自分に出来ることと出来ないことの溝の深さにとてつもなく落ち込んでしまいます。
そんな二人が病院の裏手で合流。
「夜の病院のベンチで小刀で髪切ってる女って、他人が見たら通報されるレベルだよ」何やってんの、君。
兵吾が怪我した時に、初音も避けきれず髪の一部を切られてしまい、
「一箇所だけ短いとヘンだから切ってたのよ!」
と、いつも通りの会話を交わして、ベンチに隣り合って座ります。
兵吾が座るのと反対側に、ベンチに置いていたバッグを移動させる初音に萌え!
包帯が痛々しい兵吾を出歩いていいのかと心配する初音。
ちょっと縫ったから。薬飲んでるし平気。
「ただまぁちょっと痕は残る見込みっていう、
俺の最大のセールスポイントが多少損なわれるかもっていう残念なお知らせ……」
四六時中一緒にいる以上、顔に(見える部分に)傷が残ることは隠しておけないし、でもそのことも、怪我が痛むことも、これ以上に危ない目に会うかもっていう恐れも、何も気にしてないんだよ。俺は今度は絶対に初音を置いて逃げないんだよ。だから君も何も気にしなくていいんだよ。という本音を最大限負担に感じさせないように、軽くおちゃらけて伝える兵吾です。
それを、
「別にいいでしょ⁈」
といきなり怒られて、えぇ⁈ヒデェと素の反応をする兵吾にさらに怒鳴る初音。
「別にいいでしょ、今更もう別にそんなの、充分でしょ⁈」
イケメン度がちょっと下がったからっていいでしょ、他の女の子の目を気にする必要ないでしょ、あたしがいるでしょう。あんたの顔がどうとか、もうそういうことを気にする仲じゃないでしょ……と解釈しちゃっていいのか⁈初音ちゃん。
「いや、まあ、もちろんそう!」
冗談に対して返ってきた激しい反応に、一応俺のキャラ的に……とタジタジになりながらもちょっと嬉しそうな兵吾。
「充分でしょ……。
カッコいいよ……。
ありがとう……」
と堰を切ったように泣き出す初音。
生きてるだけで充分だよ。そのままの兵吾で、誰よりもカッコいいよ。守ってくれてありがとう、私から逃げないでいてくれて。
ごめんじゃなくてありがとうなのがいい。兵吾がどうしてそうしてくれたのか、初音もちゃんとわかっていて、素直に受け入れている感じが。
「うえーー…」
と子どものように声を上げて、ぎゅうっと抱きついてくる初音を抱きしめ返す、少し照れくさそうな、幸せそうな兵吾の表情の甘さといったら!
「…大丈夫だよ」って。
実はこの33話は、小さい頃から泣いている時はオロオロしながらもパパが慰めてくれた、でもあたしを一番泣かせたのも同じパパだったーーという不穏なモノローグが導入だったんです。
それがこの穏やかで信頼し切った初音の涙で終わるとは。満足……と言いたいところですが、やっぱり初音の口から「好き」という一言は聞けないんですかね。今までの那州作品思い返して見ても(BLは除く)両想いでこの言葉が出たことあったかな?まあそれは、それこそ別に、安易な(というと語弊があるかな)表現を求めて読んでいるわけじゃないので別にいい……んですがあ〜。
あーでもめちゃめちゃ良かったです、今月号。しばらく「ウイングス」は買うつもりなので、何かあったらまた記事にするかもしれません。さらなる萌えを感じた時とかに!

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